「できる人は、(業務)日報を一日の仕事の反省ノートに使う」



私は講演や書籍で頻繁に述べています。

「ちゃんとした(業務)日報が書けない社員は信用するな!」と。

残念ながら、ほとんどの社員は、日報を機械的・事務的に書いているのです。

従って、日報を書くのが単なるノルマになり、仕方なく出しています。せっかく手間隙かけて毎日作るのに、会社や上司の命令ということで、単に出すだけになっているのです。そんな惰性で書いているのは無駄なことです。

ですので、内容はかなり適当で曖昧か、或いはあまり意味もないのに細かく書いていることが多いのです。

それならば、日報など出さずに、本業に時間と労力を使った方が、会社や本人にとってはより価値的ではないでしょうか。


私も日本の大学卒業後、コンサルティング会社のニューヨーク本社で働き始めてより、テキサス州ダラスで起業するまで10年の間、毎日欠かさず業務日報を出していました。私のみならず、同じ部署の人達全員がそうしていました。会社のルールでしたから。

 仕事ができる上司達は、部下の業務日報を毎日しっかり目を通していました。業務日報で理解のできないところ、不効率なところを見つけては、鋭い質問やアドバイスを浴びせかけてくるのです。

 よく考えて書かないと厳しく叱られます。

それもそのはずで、「超」多忙の上司達の時間を毎日業務日報のレビューのために使わせているのです。それも、一人の上司に部下が十数人いるのです。


「仕事の鬼」と言われるくらいできる先輩としばらくいっしょに仕事をした時のことです。

「なぜ仕事がそんなにできるのですか?」との私の質問に、彼は一言。

「自分で仕事ができると思ったことは、一度もないよ。でも、業務日報を一日の反省と自己の成長のために大いに役立てているからか、仕事ではかなり向上していってるのは実感する。毎日とにかくよくミスや失敗をするから、もう二度と同じミスや失敗をしないよう、なぜそうなったのか、そしてどうしたら今後同じミスや失敗をしないで済むのかをしっかり書き止めておくのさ」と。

彼の業務日報を見せてもらったところ、一日の業務内容の説明以外に、業務上の問題点とそれを克服するためにやるべきこと、そして一日の反省点がギッシリ詳しく記されていらのでした。

 その日から私もそれを真似したところ、どんどんミスや失敗がなくなっていったのでした。