「正当かつ明確な理由もなしに、意見や提案に反対する人は、社会人として相手にされなくなる」



 会議や上司の指示、同僚との会話などのなかで、意見の相違や結論の違い、あるいは全く理解できないことなどに出くわすことがよくあることでしょう。その時には、闇雲に反対するのではなく、筋の通った反対理由が必要となります。

 たとえば、誰かが一ヶ月かけて考えた提案を、綿密で詳細な資料とともに提出したと仮定します。上司へのプレゼンテーションの練習もしました。台詞も熟考して印象に残る言葉を使っています。会議の参加者に配る書類の誤字脱字のチェックもし、カラーで印刷。この企画に賭ける気持ちもしっかりと表現しました。一見完璧です。

 プレゼンテーションも終わり、会議参加者も資料を読みながらペンを走らせている状態の時に、ある人が一言。

「これ、何となく駄目な気がする」と口走ったらどう思いますか?


 まず「なぜ駄目だと思うのでしょうか?」と提案者は聞くでしょう。

すると相手は「いや、だから何となく」と答えたらどう感じるでしょうか?

 会議とは不思議なもので、何気ない一つの発言で流れが一気に変わってしまうものです。何となく、というのはわからないでもありません。きっと、インパクトに欠けるとか、新しいものが見えてこないとかで、言葉にならない何かが欠けているということなのでしょう。

 しかし、言われた本人にしてみれば、「そんなの理由にならないよ!」と不満爆発ですよね。

 ですから、提案などに反対を唱える場合は、可能な限り具体的にどこがどう自分とは意見が違うのか、また反対の理由を明確にする必要があるのです。

そうすれば、単にあげ足をとっているのではないことの証明にもなります。そして、回答者も感情的になることもなく対応でき、会議が有意義なものとなります。


単純に説明し忘れていたり、書類に書き忘れていただけの場合、反対意見に対する回答を明確に出し、会議も引き続き前向きに進められます。

 また、時間が経ってから反対意見を出す場合には、代替案を考えて一緒に提案すると、より効果的です。比較検討するものがある方が、より具体的で前向きになれるからです。

 

仕事では、具体性が重視されます。「イメージ」という言葉が多用される昨今ですが、イメージを具体化していくのがビジネスです。

自分の心無い一言で、大事な会議の流れを大きく変えてしまう可能性があることを心して、もし、反対する場合、合理的で明確な理由と代替案を出すのが社会人としてのマナーです。