「『百害有って一理なし』のタバコぐらい止められない人は、一流の人から信用されない」
米国にいた際、アメリカ人上司、ビル・ヒビットさんから突然厳しく言われました。
「ネイト(私の米国でのニックネーム)、君は一流の人から信用されたいかい?」
「勿論です! そうでなけば、仕事でも成果は出せませんから」
「だったら、今すぐタバコを止めなさい! 君が年寄りだったら、今更こんなことを言わないけど、君には将来性があるから、あえて今言っておく」
「は? 私は長年ヘビースモーカーです。タバコを吸わないと、イライラして落ち着いて仕事ができないのです」
「それは君の甘えであり弱さだ。『百害有って一理なし』のタバコを止められない意思の弱い人を、誰が信用すると思いますか? 世の中、君のようなヘビースモーカーでも、よくないということでタバコを必死になって止めた人はいくらでもいるんだぞ!」
「昔から、何度も止めようとしたのですが……」
「でも、そのくらいのことができなければ、一流の人は信用しないよ。私も本心では、タバコぐらい止められないような自己管理のできていない人のことは、まず社会人としてまったく信用していないから……」
(え! 彼は私のことを信用していなかったのだ!)それを初めて知ってとてもショックでした。凄く凄く落ち込みました。今までヒビットさんとは、深い信頼関係があったと思っていましたので。
葛藤しながら、涙を一杯溜めて聞きました。
「ビル、でもあなたはタバコを吸ったことないでしょうから、タバコを吸う人の気持ちなんてわからないでしょ?」
「君は知らないだろうが、私も大学生の時から、元『超』ベビースモーカーだったんだよ」
「え! それでは止められたのですか?」
「そうだ。入社して2年目に、尊敬できるある有名な経営者に出会って止めたんだ。同じ事を言われてショックだった。でも止めるのは大変だったから、完全に吸わなくなるまで、1年近くかかったね。だから、そう簡単止められない君の気持ちもよくわかるよ」
「その経営者になんて言われたのですか?」
「『一流の経営者になる条件として、タバコを止め、肥満を治すことがある。経営者に指導する立場のコンサルタントでありながら、なぜそのくらいのことができないんだ? できないのであれば、信用もできないから君とはビジネスしたくないよ』と、冷ややかに言われたのさ。それから、タバコを止め、体重も20キログラム近く落としたのさ。その時本当に大変だったから思ったよ。『人生は戦い』だと」
その話を聞いて、長年止められなかったタバコを、私も遂に止めたのでした。自分の甘さと弱さを大反省したのです。