「使い終わった書類や資料をすぐにファイルする癖をつけられない人は、一生『できる社員』にはなれない」



 仕事が「できる社員」と「できない社員」の決定的な違いの一つは、一つの作業を終えた後、即書類や資料をファイリングする癖があるかどうかです。

 仕事の速い人は、新しい情報や資料などを使ったら、その使用後、保存が必要と判断された場合、即座にファイリングします。それも、ファイルの内容が見てすぐにわかるように、ファイル名をつけてです。

 その上、置き場所も必要な時に、探すことなく取り出せるように、あらかじめ決めたファイリングのルールに基づいて置くのです。


「できない社員」というのは、仕事の遅い人です。遅い理由の一つに、この即ファイリングをする癖がないからなのです。

 使用後すぐにファイリングをしませんから、机やその周辺に、書類や資料がどんどんたまっていきます。そして、段々下に置いたものが、何であったか見えなくなります。

更にどこに何を置いたのかさえも、まったくわからなくなります。従って、絶えず書類や資料を探し回りことになるのです。


その探し回る時間的ロスは日々繰り返すととてつもなく大きくなります。

たとえば、1日1時間探すのに費やしてしまったら、月平均20日働いたとして、年間240日になりますから、240時間損をしているのです。1日8時間働いたとしたら、なんと年間30日分仕事をしないで書類や資料を探し回っていることになります。

凄く非効率だと思いませんか!


「何言ってるんだ。1日1時間も物を探すわけないだろう!」

 そんな風に思っているあなた、本当ですか?

 コンサルタントという職業柄、色々な会社に行きます。その際、「できない社員」さんが書類や資料を延々と探し回る姿を頻繁に見ます。それも同じ人が、です。

見ていない振りをしてよくよく観察するのです。時間を計ってみると、1日合計すると、優に1時間以上は探すのに費やしています。

おそらく、まとめて1時間探しているわけではないので、ご本人は自覚がないでしょうが、1日に何度も何度も数え切れないくらい頻繁に探しているのです。


まさに、仕事の基本である、使い終わった書類や資料を即ファイリングしないことでの「悪循環」です。