「『できる社員』は育てられるものではない。自ら育つものだ」



 中小企業の経営者がよく「あ~あ~、うちの会社は何で人材が育たないのだろう」と嘆いています。

 しかし、それは大間違いなのです。

 なぜなら、人材は育てるものではなく、育つものだからです。

 大事なことは育つ環境作りをすることです。

 私の知る限りにおいて、「できる社員」となった人で育てられた人は、一人もいません。皆自分で成長していったのです。


 では、そのように自ら育つ人材を得るためにはどうしたらいいのでしょう?

 それは、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏が言われたように、素直な人を採用すればいいのです。

素直な人は、言われた通り一生懸命正確にやろうとしますので、どんどん伸びていきます。


 一方、素直でない人は、いい事でもすぐに受け入れません。実践しないので、伸びないし、成果も出ません。

 ですから、中小企業の社長は、どんなにやる気がありそうでも、どんなに過去頑張っていたとしても、素直な人だけ採用すべきです。

 素直でない人は絶対に雇ってはいけません。

当初即戦力になったとしても、時間の問題で伸び悩み、戦力外として落ちこぼれていきます。困るのは、素直でないために本人は反省もしなけれが、乗り越えていこうともしません。

 また、素直でないですから、成果が出ないのを人のせいにしてしまいます。

従って、人間としても社員としても成長しません。

 周りから嫌われるだけで、すぐに会社にとっていらない存在となっていきます。


 どんな人間でも、素直に生き抜いていった時、どんどん成長していくものです。人間として、最も美しく輝いていけます。

 丁度、幕末の志士達、たとえば、吉田松陰、久坂玄瑞、坂本竜馬、中岡慎太郎、高杉晋作、近藤勇、土方歳三が、素直かつ誠実に生き抜いていったようにです。

その素直な心は多くの支援者を作りました。


 海外でも、マハトマ・ガンジー、ネルソン・マンデラ、マーチン・ルーサ・キング、テッド・ターナー、ウォーレン・バフェット等々。素直に生き抜いた人は、自ら成長するだけでなく、多くの人々に感動と勇気を与えています。

 従って、周りに多くのファンができ、彼らがどんどん応援してくれたため、更に数々の成果を出していったのでした。


 ジョン・F・ケネディの有名な大統領就任演説にあります。

「祖国があなたに何をしてくれるかを期待するのではなく、あなたが祖国のために何をできるか考えて下さい!」

社員を含めできる人は、皆世のため人のためという発想があります。素直さから出てきた、誠実な願いでもあります。