「『できる社員』とは、プロ意識を持ったプロフェッショナル・スタッフをいう。プロとは、どんなときでも、最高の仕事をしようと努力する人」

「『できる社員』とは一言で言うとどんな人なのでしょうか?」

 ある時、顧問先の新入社員さんから突然聞かれました。

「プロ意識を持ったプロフェッショナル・スタッフのことをいいます」

 私は考えもせずにとっさに答えました。

「プロフェッショナルとは、野球、サッカーに代表されるプロ・スポーツ選手や、医者、弁護士、税理士、公認会計士などのように独立した専門家のことをいうのではないのでしょうか?」

「一般にプロフェッショナルといえば、そうでしょう。ところが、今は一昔と違い、独立していない人、つまりプロフェッショナル・スタッフも含めて、プロ化しつつあるのです」

「なんで今は違うのですか?」

「右肩上がりの高度経済成長期やバブル経済期では、サラリーマンのように雇われていた人達は、大した成果を出せなくても、勤め続ければ、時と共にある程度まで昇給・昇進できました。しかし、今はまったく違うのです。独立した専門家だけでなく、どんな職業の人でも、今成果を出し続けられなければ、左遷、降格、減給、又は解雇されることでしょう。成果も出せない人にお金を払うだけの余裕は、もうどこの組織にもないのです。主に長年の不景気と国際的競争の激化からですが。従って、独立した専門家でなくても、どの職業でも仕事をする以上成果主義であるプロ意識を持たなければならないのです。それは即ち、仕事におけるプロフェッショナル化ともいえるでしょう。その人達は、プロフェッショナル・スタッフと呼ばれる、雇われてはいますが、プロとしての成果を逐次求められているのです」

「えー! それではプロ意識のない人はどんな組織でもいらなくなるということですか?」

「その通りです。私の周りの顧問先企業でも、そのような大きな変化が度んどん起こっています」

「それでは、成果が出せるように、常日頃から力をつける努力をしなければなりませんね!」

「その通りです。そんな時代の変化があって、今日本でも、経営大学院(ビジネス・スクール)での経営管理学修士号(MBA)や米国公認会計士(CPA)などの国際的に通用する資格が静かなるブームになってきています。私が大学出た四半期世紀前には、考えられないことです。日本も激変しています」

「私も『できる社員』になれるよう、これからプロ意識を持ったプロフェッショナル・スタッフ目指し毎日勉強していきます」

 このやりとりを読まれて、自分は会計・経理、総務・庶務、又は秘書業務などの「事務職だから関係ない!」と思う人もいるでしょう。それは大間違いです。そんな人は、今世紀では、「ダメ社員」への道まっしぐらです。

 これからは、会計・経理、総務・庶務、秘書業務などのたとえ事務職であったとしても、プロフェッショナル・スタッフとして、効率的・効果的に仕事ができなければ通用しません。

 なぜなら、できなければ、組織にとっていらない存在になるため、取り替えられてしまうからです。

「大丈夫です。解雇されたら、また新しい会社・組織を探せばいいのです」なんて高をくぐっているととんでもありません。そんな人はほとんどどこも雇ってくれませんから。

万が一、雇ってもられたとしても、かなり低い報酬になるでしょう。

 もし高い報酬をもらえたとしても、それは一時的なのです。すぐに雇用主とのミスマッチが明らかになり、せっかくの仕事も長続きしないのです。

 要は、仕事を変えてもダメです。どんな仕事につこうとも、あなたが、プロ意識を持ったプロフェッショナル・スタッフとして自覚をし、そのように努力・言動しなければならないのです。

 既に紹介しましたが、そんなことから、私はいつも言っているのです。

「仕事は戦い、職場は道場、職場を出ればそこは戦場」と。

 プロとして戦いの連続なのです。

 しかし、一度腹を決めて、それをやり抜くプロフェッショナル・スタッフになれれば、仕事の本当の意義や楽しさを実感できるようになるでしょう。

そうなれば、昇進・昇給は自然についてきます。