「どんなことでも誠実に対応する人には、多くの人がついてくる。そして人生の勝利者となる」



私のメンターは言いました。

「長い人生行路にあって、偉大なる作業をしていくためには、それなりの限界や絶望のときもあるかもしれないし、巨大なる幾多の障害もあるにちがいない。そのときこそ、いやまして、みずからがたくましく光り鍛えられていくことを、忘れてはならないと思います」

 成功への道で必ず出てくる障害を、人間として鍛えられ成長するチャンスとして受け止め、乗り越えていくことの大切さを説かれています。言葉で言うのは簡単なようですが、これが凡人である私なんかにとっては大変です。


 ところで、ダメ人間がダメでなくなる時をご存知でしょうか?

 どんな人間でも、正しい信念を貫き、誠実に生き抜いていった時、もうダメ人間ではなくなっているのです。人間として、最も美しく輝いていくのです。

 丁度、幕末の志士達、たとえば、吉田松陰、久坂玄瑞、坂本竜馬、中岡慎太郎、高杉晋作、近藤勇、土方歳三が、信念を貫き、誠実に生き抜いていったようにです。後々一人ひとりの心の中に、また社会的にも影響を与えました。

 海外でも、マハトマ・ガンジー、ネルソン・マンデラ、マーチン・ルーサ・キング、テッド・ターナー、ウォーレン・バフェット等々。信念を貫き、どんなことでも誠実に対応し抜いた人は、多くに人々に感動と勇気を与えています。


 人生、特にビジネスにおける成功を考えるとき、人は経済的な成果、つまりお金を儲けることについつい目が行ってしまいます。確かに、ビジネスである以上、お金は稼がなければなりません。

 しかし、再度よ~く考えてみて下さい。お金儲けはきりがありません。また、よく言われますが、お金は、所詮死んだ後、あの世に持っていけません。

更に、余計な大金を家族や子供達に残しても、いいことはありません。そんな「棚から牡丹餅」のような、また「他力本願」的な生き方をしていれば、いつか必ず行き詰ります。努力しないで楽して生きていると、その反動が来ます。

簡単に得たお金は、簡単になくなるのです。汗水流して苦労して稼いだから、そのお金に感謝し、大事にするのです。


お金の儲けはあくまでも努力の成果です。その努力とは、かけた時間であったり、労力であったり、アイデアだったりで、人それぞれです。

でも、いつその成果が出るかが、誰にもわかりません。ですから、すぐに成果が出ないからといって、諦め途中で止めては、本末転倒になってしまいます。

なぜなら、お金儲けの本質は、単にお金を儲けることではないからです。儲けようとする努力の過程を通して、自ら人間的に成長すると同時に、周りの人も幸せにしていくことだからなのです。


ワタミの渡邉美樹社長は、事業の成果として、「世界中で一番『ありがとう』を、集められる会社にしよう!」を掲げています。「ありがとう」が沢山集まれば、その対価であるお金もそれに伴って集まってくるという考え方です。

これは、「原因結果の法則」からして、自然なことです。

提供するビジネスを通して、顧客が有り難く思ってくれることは、いい原因を積んだことになります。従って、その結果であるお金が、その提供する会社に集まるのです。

その土台かつ推進力になるのが、どんなことでも誠実に対応し抜くことなのです。


正しい信念を貫き、誠実に生き抜いていれば、何をやっても成功するのです。これは、20年以上日米アジアで、ビジネスにかかわってきて、普遍のルールであることを私自ら体験してきました。

要するに、本物の成功者達は、必ずこの「どんなことでも誠実に対応する」というルールを守ってきたのです。

従って、もし、ビジネスで本物の成功したければ、このルールにしっかり乗っ取ってやり続けてみて下さい。いつか必ず成功します。それも、一時的なものではなく、周りの環境に影響されることのない、不動の成功を手に入れることができるでしょう。


私が米国で関わった何十人もの世界的起業家や大富豪達は、皆これを実践してきていました。

初めてそのルールを伺った時、正直言って、奇麗事にしか聞こえませんでした。しかし、彼らの日々の生活や言動を通して、そのルールが変わらぬ真理であることが、よくわかったのです。