「一流の人ほど小さなことに全力で当る。結局、できる人ほど大きなことも小さなことの積み重ねであることを熟知しているからだ」



「ライオンは、前に三歩進んで一歩下がるといって、蟻のような小さな獲物を狙うときも、又大きな猛獣と戦うときも、その姿勢はまったく同じで、これを『師(獅)子奮迅之力』(ししふんじんしりき)という」

私の座右の銘です。


一流の人ほど小さいことを大事にします。手を抜きません。小さいことに大きな思いを込めて全力で当ります。

「ローマは一日にして成らず」「千里の道も一歩から」

 この二つに代表されるように、昔から熱き思いで小さいことや一歩ずつ進むことの大切さ説いています。

 やはり、いつの時代でも大切なユニバーサルなルールではないでしょうか。


私が最も尊敬する人は言います。

「小さなことを、一つ一つきちっと、やりきって働くことが大切である。小さいことも満足にできずして、どうして大事を成し遂げることができようか」

 歴史的に偉業を成し遂げた人は、例外なく小さなことを大事にし、やりきってきました。大きなことも、所詮、小さなことの積み上げですから。

 また「塵も積もれば山となる」と言われます。逆に、小さな一つひとつの塵が積もらなければ、山はできないのです。


 私は、高校卒業するまで、小さいことをコツコツやることが極端に苦手でした。ですから、そのことに気がついた担任の先生に言われました。

「小さいことを本当に大切に丁寧にやっていきなさい! それが大成する近道であるから。君はそれができないと一生自分に負け続けるぞ! 一つひとつの小さなことに大いに悩み、解決に向けて全力でぶち当たっていきなさい! そのことが、君を最も成長させることになるからね」


「小さいことにくよくよするな!」ということをよく聞きます。

確かにその通りだと思いますが、私の尊敬するリーダーは、それに少し付け加えて言いました。

「小さいことに長くくよくよしてはならない。どんな小さいことでも気にして、大いに悩むべきだ。ただし、いつまでもくよくよせず、解決すべく一挙に全力で体当たりすることだ。長々とくよくよすると、考え方や生き方が後ろ向きなるので、短期間で乗り越えるべきなのだよ。本気で体当たりすれば、小さな問題は必ず解決できるから。正確に言うと、解決できてなくても、全力で小さな問題に体当たりすると、前進できるので、問題は次のステージに持ち越され、それで解決の糸口が掴めていくものだ」


知人で大きなことばかり言う人がいます。例えば、「一兆円稼ごう!」「世界を動かそう!」「イベントをして10万人集めよう!」とかです。

しかし、その人は、遅刻の常習犯で、仕事も事務的なミスが多く、頼まれたことの期日も守れないことが多々あるのです。

ですから、彼が大きな話しをしても、誰も信用しません。彼という人間を良く知っている人は、彼のために即座に説教をします。

「そんな大きな話をする前に、まず目の前にある仕事をきちっとやりなさい!」と。


彼のケースは、極端ですが、こういったタイプは結構多く、どこの職場にも必ずいるようです。

反面教師ではないですが、そのような人のお陰で、「小事が大事!」を痛感し、気を引き締め、努力している人も多いようです。

「小事が大事」ということは、どんなに小さいことでも、どんなに重要でなさそうな雑用でも、手を抜かないで真剣にやることです。それも大きな思いを込めて。


 若い頃、私も小さいことを積み上げることの重要性に気づかず、随分ミスや失敗を犯しました。

今になってそれが、お金を貰って仕事をするプロの精神であることがよくわかってきました。それが仕事の本質であることも、です。