「壁にぶち当たらない人は成長しない。壁にぶち当たるのは、限界に挑戦している証だからだ。だから、大いに壁にぶち当たろう。ぶち当たったら、難しく考えず、とにかく今できることをどんどんやって前進しよう。限界を打ち破る方法は、前進しかないからだ」

 人間は目標に向かって一生懸命生きていると、必ず壁にぶち当たります。壁にぶち当たらないのは、限界に挑戦していないからなのです。

 当然ですよね。同じことだけやっていたなら、背伸びしないで済みますから楽ですし、壁にぶち当たることなんて有り得ないのです。

 ただ、それでは人間として成長しません。

 心ある周りの人は限界に挑戦し、どんどん成長していきますから、あなたは置いてきぼりなるでしょう。気がついたら、ダメ人間のレッテルを貼られています。

 そう見られているだけならまだいい方です。

 日本でも完全に実力社会に入った21世紀では、職場にいらない存在として、お払い箱になるのは、時間の問題です。

 頑張って中年まで会社にい続けても、完全に「窓際族」扱いか、左遷されるのが落ちでしょう。

 とにかく、これからの正しい生き方は、リスクをしっかりとって自己の限界に挑戦することです。自己の限界に挑戦するから、壁にもぶち当たりますし、悩み葛藤して成長していくのです。

「皆悩んで大きくなった」

昔流行ったテレビコマーシャルです。

これは人生の真理を説いています。悩むから人間は成長し大きくなれるのです。悩まなければ、いつまだ経っても、精神的には子供のままです。

 私も学生の頃は、成績が悪いことぐらいで、ほとんど悩んでいませんでした。

「そのうちなんとかなるだろうー」というのが、若いときの生き方です。ですから、あえて自分の方から、壁にぶち当たろうともしませんでした。

 むしろ、壁にぶち当たらないように、うまくかわして生きていたのです。

でも、その反動が、社会人になろうとした時、突然現れました。

 米国の経営大学院(ビジネススクール)を受験するため、渡米したところ、受験した7校全校に落ちてしまいました。

 そのため、突然、ジョブレス&ホームレスという身分になってしまいました。挙句の果てにビザがなくなってしまったのです。違法滞在の身となり、見つかったら、強制送還とになります。

 この時生まれて初めて、自殺したい人の気持ちが理解できました。

現実のところ、社会的に存在価値がなくなった自分も、この世から消えた方がいいのではないかと思った次第です。

 当時お金もなく、定住地もありません。毎日パンの耳やマクドナルドのフライド・ポテトばかり食べていました。

 何をして生きていけばいいのか、わからなくて毎日悶々としていました。

 ある時、ドイツ系アメリカ人主婦Sさんと出会いました。

 Sさんは私に厳しく言い切りました。

「毎日何もしないで、悶々としているよりは、まず今何ができるか考えてごらん! 必ずできることがあるから、とにかくそれを実行するのよ。そして、生きている実感と自信を取り戻すのよ。今あなたに一番大事なことは、足踏みしているのではなく、前に進むこと。前に進み始めたら、限界が少しずつ崩れていくから。気がついたら限界線がなくなっているのよ!」

 世のため人のため真剣に生き抜いてきたSさんの言葉には、物凄い迫力がありました。ヒッピーだった夫を支え続けて、目標だった外交官にさせた自信が、彼女の言動にはみなぎっていました。

赤の他人であるのに、母親のように、一生懸命激励してくれる彼女の真心を汲み取り、素直にできることを探しました。

とりあえず、将来に備えて体を鍛えること、ビジネスの専門能力をつけるために勉強すること、そして、英語力の向上のために、できるだけ色々なアメリカ人と対話を始めました。

そのプロセスの中で、ある人が、私の目標であり憧れの大手国際会計・経営コンサルティング会社がプロフェッショナル・スタッフを募集している広告を持ってきてくれました。

受からないのは、重々承知していましたが、Sさんが言うように、応募くらいならできるので、軽い気持ちで経歴書を送ったのでした。

そうしたら、奇跡が起こったのです! 

(1) 米国の大学又は大学院を優秀な成績で卒業していること

(2) 米国公認会計士(CPA)の資格の取得もしくはそれに順ずる知識があること

(3) 3年以上経験があること

(4) 英語と他の外国語(日本語を含む)の完全なるバイリンガルであること

 という入社条件の一つも満たしていなかったにもかかわらず、採用になったのでした!その瞬間私の壁はぶち破れたのです。

 やはり前進あるのみです!