「人の言うことを素直に聞き入れ、実践できるようになったら、あなたはもうダメ人間ではない。結果は後からついてくるから」
新入社員中でも、上司や先輩から何度も同じことで注意されても変わらない人がいます。最初は「忘れっぽいのかなあ?」とか、「注意散漫なのかなあ?」と思っていました。
しかし、あまりにも同じミスや失敗を繰り返すので、段々奇妙に思えてきたのです。
ダメな自分でも新人時代一回言われたら、二度と同じミスや失敗を繰り返すまいとして、必死に細心の注意をしてやりました。
彼らからそんな様子は微塵も感じられないのです。
不思議がっていると、友人経営者から指摘されたのです。
「浜口さん、それは、忘れとか注意散漫だからではないですよ! ただ、謙虚でないから、素直にやろうとしないだけです。うちにも、同じような新入社員が何人もいました。でも、素直でないので、いつまで経っても伸びないため、クビにしました。謙虚に学び素直に実践する気のない人は、成長しないので、教育してもダメです」
「でも、すぐにクビにするのは、また大胆ですね!」
「だって、素直でないから、いつまで経っても言われた通りのことをせず、何度も何度も同じミスや失敗を繰り返しているのですよ! 会社は彼らの我がままを通すところではないのですから。人間として修行する気がない人は、会社にとっても邪魔な存在になるし、本人もそれで葛藤します。要するにお互いミスマッチということです」
そう言われてみると、最初ダメ人間だったはずの新入社員が、上司や先輩の注意を素直に聞き入れ、実践していったため、見違えるほど成長し、どんどん力をつけていったことがありました。
その時はその人の資質だと思っていましたが、今から考えると素直であったことが決め手になったものと痛感します。
「経営の神様」と言われた松下幸之助氏も「道をひらく」(PHP研究所)で次のように指摘されています。
「素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ」
思えば、高校三年生の時に、どうしても成功のカギをお聞きしたくて、アポなしでいきなり行ったにもかかわらず、快くお会いして下さった松下氏は、一言私に言われました。
「人生山あり谷ありや。どんなことがあっても素直になることや。忘れたらあかんで」
ダメ人間だった私も今があるのは、この松下氏のお言葉通り実践しようとしたからだと思います。