一度お金儲けを目指し始めると、必死になる人が多いようです。何事も始めたら、一生懸命になることは、いいことです。何しろ、一生懸命にならないと、成果はでないので。
ですから、お金儲けも、一生懸命やること自体は、資本主義社会に生きる我々とって、大事なことであり、評価されるべきことです。
ただ、してはいけないことがあります。周りのことには一切気配りせず、一心不乱で徹底して金儲けに走り続けることです。
そんなことをすればすぐに本来あるべき自分というものを見失います。そして、最も大事な価値観がお金に置かれてしまうのです。そうなれば、最も尊い行為も、金儲けになります。
しかし、よく考えてみて下さい。世の中、お金やお金儲けより、大事なことはたくさんあります。従って、あまりの金儲け主義を続けていると、世間から相手にされなくなります。
お金はあくまでも生活のためのツールです。そのツールを生きるための目的にしてしまったら、悲劇です。そのために愛や友情や信頼など、お金で買えないものを失うことでしょう。
ですから、もし、あなたが金儲け主義に走ってしまえば、周りの人は、あなたに失望し、あなたから次々と離れていくでしょう。はたから見れば、「金の亡者」としか映らないのです。
金儲け主義とお金を大切にする行動とはまったく違います。私達は、お金を大切にする行動はとっても、金儲け主義になってはいけないのです。
一度金儲け主義になってしまったら、既に指摘しましたように、お金では買えない大事なもの、失ったら二度と返ってこないものをどんどん失うことでしょう。
それは、たとえ一時的にお金儲けができたとしても、結果的には、自分や周りの人を不幸にするだけです。
私の知人にもそんな人がいます。40代ですが、既に大金持ちなのです。
しかし、彼はお金が儲かることでないと、また自分にとって利益になることでないと、まったく何もしないのです。
お金がなかった時代は、まだ彼は金儲け主義ではありませんでした。ですから、お金にならないことでも、それこそ、愛や友情や信頼のために、ただ働きをしていました。お金がないなりに他人を応援していました。
ところが、会社を上場させたことで、大金が入ってから、もっともっとお金を増やしたくなり、価値観が変わりました。人まで変わりました。
「お金のないやつとは付き合わない!」「お金儲けができないやつは、人間としての価値がない!」と。
それによって、本人は気がついていないようですが、ビジネスでの取引先を除いて、ほとんどの人、特に友人達は、彼からどんどん離れていきました。社員も金銭上の付き合いとして、彼との関係を割り切ってしまっています。
彼の周りは、笑顔のない人達の集まりとなってしまいました。お金はあるのに、心の通わない不幸そうな人ばかりが来てしまう有様です。