世のため人のためにお金を使っている人でお金に困った人を、私は見たことがありません。
ですから、「お金に困らないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?」とのご質問に対して、私はいつも同じことを申し上げます。
「お金がない中でも、少しでもいいので、世のため人のためにお金を使ってみて下さい」と。
皆さんも嘘だと思われたら、ぜひ実行してみて下さい。必ずお金に困らない境涯になれますから。
それでは、世のため人のためにお金を使えば、なんでお金に困らなくなるのか皆さんご存知ですか?
私もこのことをメンターに言われた時、凄く不思議に思いました。
なぜなら、そもそもお金がなければ、どんなに崇高な理由であれ、実際にお金を出していったら、どんどんお金に困るような原因を積んでいるような気がしていました。
それで私も実践してみました。そうしたら、ビックリです。現実は逆でした。本当にお金に困らなくなっていったのです。
その体験を通して悟りました。世のため人のためにお金を使い始めれば、段々心の余裕が出てくることを。
額の大小に関わらず、世のために人のためにお金を使うということは、利他の精神が育ちます。つまり、どんなに自分が大変でも、他人への思いやりの気持ちを大事にします。そうすると、人間的にどんどん成長していくのです。
人間的に成長すれば、物やお金に対する所有欲が段々薄れていくのです。ですから、あれも買いたいこれも買いたいという気持ちがなくなっていくのです。
個人的なことでお金を使うことに興味がなくなっていくわけですから、当然、個人的なことでお金を使うことが減っていきます。とすると、どんどんお金も溜まっていくのです。
と同時に、個人以外のこと、即ち他人のためにお金を使うことに価値を見出していくのです。なぜなら、他人が喜ぶことに幸せや生きがいを感じるようになるのです。
米国から日本に帰国する際、米国で稼いで貯めたお金をすべて、慈善・福祉事業団体、病院、学校などに寄付してしまいました。また、持っていた物もほとんど無料で困っている人々に差し上げました。
周りの人が「なんで持っているものすべてを寄付するの?」と不思議がっていました。でも、私としては、「お金に困ればまた一生懸命働いて稼げばいいじゃない」と思ったのです。
それより、お世話になった米国とアメリカ人に対し感謝の印として、何かさせて頂きたかったのです。
どうせどんなにお金を稼いで貯めても、あの世には持っていけません。であるならば、この世に生まれてきた証と感謝の意味を込めて、お世話になった人や困っている人、また世のため人のためにお金が必要な団体に、使ってもらった方が、よほど価値的だと思っています。
この考え方は、米国の大起業家や大富豪の間では当たり前なことになっています。皆がやっていることなのです。
既に紹介しましたが、先日も、世界長者番付2位の米国株式投資家、ウォーレン・バフェット氏が、マイクロソフト会長ビル・ゲイツ氏が引退後主催する慈善財団へ、資産
の約85%(約4兆3000億円)を寄付
することを発表
していました。
アメリカ人は、社会還元という意識がきわめて強い人種です。
せっかく苦労して稼いだお金を寄付したらもったいないという方もおられると思います。しかし、独り占めにして、自己満足と優越感に浸っているより、できるだけ多くの人と喜びを分かち合った方がどれだけ楽しく幸せか、体験してみればわかります。