世の中にはいい人っぽい人はいっぱいいます。特に、あなたが上手くいっている時や成功している時、いい人のように振る舞い近づいてくる人は結構いるでしょう。

 そして、そんな人は、あなたに調子を合わせ、従い褒めまくります。

 ところが、一度あなたが行き詰ると、そんな調子のいい人はすぐにいなくなります。あなたに利用価値がなくなるからです。

そんな状況になったとしたら、それまでちやほやされ、余裕があったあなたは、どう言動するか、考えてみて下さい。


 その人の真価、言い直すと人間としての本性は、いい時よりも、悪い時に明確に出るということを、私は嫌っていうほど経験してきました。その中では、一番と言っていいほどわかりやすいのが、お金に困った時どうするか、です。

 最低な人の場合、自分がお金に困ると、人を騙してお金を得るのです。

「自分が生き残るためだから、しょうがない」として、正当防衛化するので、たちが悪いです。

「人間はどんな時でも、他人を騙したり、利用したりしたら絶対にいけません。もし、そうしたら、大きな罰が当たります。不幸になり一生後悔するでしょう」

私のメンターがよく言っていたのを思い出します。

騙した瞬間、どんな理屈を並べても、ダメなのです。正しくないことは正しくないのですから。


 よく「嘘も方便」と言われます。確かに、時と場合によっては、嘘もつかなければならないこともあるでしょう。しかし、騙すのと違うのは、相手のために本当のことを伝えないのです。

 一方、騙す場合、相手を利用したり犠牲にしたりするのです。

「原因結果の法則」から、相手を犠牲にして自分に利を得たら、そのしっぺ返しは大きいものがあります。後になって、苦しむことになるでしょう。

 と言うのは、世の中で一番厳しい仕置きがあるのは、利己のために、他人を利用したり、犠牲にしたりすることです。

人に悪いことばかりをしている人が、「俺はいい死に方をしない」と冗談のように言ったりする映画やテレビドラマのシーンがありますが、実はそれは真理なのです。でも、彼らは、なかなか止められないのです。


 私の友人で、起業して会社をかなり大きくした人がいます。残念ながら、バブル経済崩壊の影響を受けて、その会社は倒産し、彼は個人で500億円以上の借金を抱えてしまいました。

 お金持ちである彼に興味を持っていた人達は、全員彼のもとから、アッと言う間に去っていきました。

でも、彼はまったく動じませんでした。一生働いても返せないその借金を本気で返すため、毎日真面目にコツコツ稼ぎ続けています。

 凄いのは、自己反省の意味もあり、誰に助けも求めないのです。自分一人ですべての責任を背負い弱音を吐かず、稼いでいるのです。

「生きている間に、借金は利子をつけて必ず返すため、絶対に諦めません。それが私の誠意であり、生き様です」と。ある時、彼は独り言を言うかの如く、私にポツリと語りました。

私は、彼は必ず借金を返すと思います。なぜなら、「執念を持った人は、命がある限り必ず結果を出す」というのが、経験に裏付けられた私の中での、お金儲けのルールがからです。