何かで上達するための近道は、その道で成功しているプロの手法を徹底的に研究し、真似することです。それも正しい手法を用いていることが大前提なのです。
正しくない、つまり騙したり、ズルをしたり、楽をしたりする方法で、万が一成果を出せたとしても、それはたまたまであって長続きはしません。そんな都合のいい状況が長く許されることはないのです。
「原因結果の法則」から「悪は必ず滅びる」
これは、２０年以上日米アジアでビジネスの支援をしてきた結論です。どの道のおいても、正しくやらなければ、必ず続かなくなるのです。それが如実に現れるのが、お金儲けです。
お金儲けぐらい正しくやらなければ、厳しい結果が出る領域も少ないのかも知れません。
もし、あなたの周りで、不正をして稼いでいる人がいたら、その人の将来を見ておいて下さい。必ず天罰が下ります。私の周りに人達を見てきて、これには、例外がありませんでした。
「なぜ、不正をしてお金儲けをしたら、天罰が下るのだろう？」
ある時疑問に思いました。
そして、様々な方にその疑問を投げかけてみたのです。そのものずばり言われた方は、それほどいませんでした。が、皆さん「原因結果の法則」のようなことを指摘されていました。
要するに世の中バランスよくできているということなのです。自分のために人を利用して生きるような一方的かつ極端なことをすると、そのしっぺ返しは必ずあるのです。
人を犠牲にしてお金儲けをすると、必ず相手や周りの人やから反感を買い、足元をすくわれるのです。嘘だと思ったら、試してみて下さい。必ず時間の問題で、大きなしっぺ返しはあります。
私も苦い経験があります。騙すつもりはまったくなかったのですが、結果的に支援頂いた方々に、随分とご迷惑や心配、更には経済的に損をさせてしまったことがあります。
正確に説明しますと、ある若い社長が、私のところに来て、世のため人のために新しくやるビジネスを成功させたいので、私に協力・支援を要請しました。
「若いのに立派だなあ。世のため人のために命を賭けるなんて！ であるならば、私もその実現のために協力しなければ」
私はその社長に初めて会った際、そんな思いを持ちました。
ところが、その社長がビジネスを成功させたかった本音は、世のためでも人のためでもありませんでした。単に自分が有名になってカッコよく見られたいとか、お金持ちになって贅沢をしたいという強い欲望を満たしたかっただけなのでした。
彼の利己的な夢のために、私や私が紹介した人達は、結果的には利用された形になってしまいました。
私の信条ですが、私がそのビジネスに関わったために、「浜口さんが応援している人ならぜひ応援したい！」ということで、多くの方々が応援して下さいました。当時は、私も必死に、その若い社長を応援していましたから、その方々からの応援ためのオファーを素直にお受けしました。
しかし、その社長は、応援して頂いた資金を個人的なことに使い、また、応援して頂いた著名人や実力者の名前を利用して、あたかも自分が凄い人間であるかのように、他の著名人や実力者にアピールし続けました。
その社長の目論見通り、それら著名人や実力者は「若いのに遠慮なくずばずば言うので面白い！」ということで、彼を高く評価し、更に、友人の著名人や実力者に紹介したのでした。
結果的には、その若い社長が経営していた会社は、アッと言う間に潰れ、かなりの犠牲者を出してしまいました。と同時に、紹介者であり、応援団長的な役割をしていた私は、一挙に信用を失い、その責任を言及されました。
今から振り返って、当時私も気がついていなかったのですが、その若い社長が、正しい目標を持って、正しく儲けようとする気持ちがなかったことが、失敗の最大の原因だったと判断しています。
また、それを早くして見抜けなかった私にも、「人を見る目がなかった」とか「人を見抜けなかった」では済まされない、大きな道義的責任はあると反省しています。
「人間は基本的には皆いい人だ」という性善説的な考え方があまりにも、当時の私には強過ぎたと思っています。
ただ、それが大きな教訓となって、今は大分、「人は場合によっては悪い意図を持って悪いこともする」という、かなり「性悪説に近い」考えも交じって、考え方は判断基準において、バランス感覚が少しは身に付いたようです。
その事件以来、私に応援を求めてくる若手の社長さん達には、いつもお願いしていることがあります。