男女にかかわらず、好きな人と出会えることほど嬉しいことも少ないでしょう。所詮、人間は孤独で、いつも好きになれる人、つまり分かり合える友達を探しているようです。

 あるところに、働く環境が最悪のレストランがありました。そこで、ウエイターやウエイトレスをしているアルバイトさんは、重労働にもかかわらず、他の平均的なレストランのアルバイトさんに比べ、なかなか辞めないのです。通常3ヶ月もたないのですが、そこのレストランでは、ほとんどのアルバイトさんは、1年以上続いていたのです。

不思議に思った外食コンサルタントをしている私の友人が、その理由を調査しました。直接、アルバイトさんにヒアリングをしたのです。

「なんで、他のレストランより辛い仕事なのに、他のレストランに移らないの?」

「だって、職場に行けば、大好きな仲間がいっぱいいるからです。彼らと毎日会いたいのです。好きな仲間と同じ目標を目指しいっしょに頑張って働きたいのです。仕事はきついけど、彼らと働いているととても、元気が出るし楽しいのです」

好きな人と働くことがどんなに楽しいか、また必要か物語っています。同じ経験ないですか?

好きな人の場合、初めてお会いしても、ピピピっときて、すぐに打ち解けます。まるで、長年の親友だったかのように。

そして、好きな人とは、その後お付き合いが自然と長く続くものです。相手が引っ越すなど、よほどの理由がない限り、お付き合いは続くようです。

私も20年間近く米国にいましたが、好きな人とは、初めて会っても仲良くなるのに、5分とかかりませんでした。そして、日本に帰国してからも、彼らとの付き合いは、絶えることなく続いています。

また、万が一何らかの理由でお互い連絡がとれなくなったとしても、再会すれば、すぐに昔の頃のように戻り、お付き合いが始まります。

それでは、好きな人とどうやったら出会えるのでしょう? 

結論から先に言うと、私は、とにかく躊躇せずに出会いのチャンスを自らが作り、会いに行くことだと思います。

「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」ではないですが、会えば会うほど、好きな人と出会えるチャンスが高くなります。反対に、あなたが特に有名人や実力者でなければ、待っていても、誰も会いに来ないでしょう。積極的な行動あるのみです。

私も、まずどんどん色々な人に会いまくることにしています。

勿論、事前に相手方に関する情報をできるだけ入手して、どんな人間かぐらいは、把握しておくようにしています。でも、それはあくまでも参考程度です。それによって、先入観を持たないようにしています。

人から聞いただけで、直接会わないで人の評価をすると、とんでも誤解をしていることが往々にしてあります。やはり、「百聞は一軒に如かず」で、まず直接会って、自分の目で確かめ、判断するべきですよね! 

結局合う合わないは、お互いの相性ですから。周りの人が判断することではないですよね!

それをしていなかった時期は、私は機会損失をしていたのかも知れません。凄く好きになれる将来の親友に出会えていたかも知れないのです。

好きな人は、限度はあるにしても、多くいればいるほど、人生楽しくなると思います。少なければ、同じ人ばかりで、マンネリ化してしまいますが、多ければ、様々な人から色々なことが学べます。知識も増えます。

例えば、ある経営者を他人が散々非難していたので、よほど傲慢でワンマンかと思いきや、気になったのでお会いしてみたら、まったく逆。卓越した能力のあるリーダーでした。ただ、リーダーシップが凄すぎて、日本では一歩評価を間違えると、独裁者と見られてしまうのも確かです。

でも、海外では間違いなく非常に高い評価を得られる優秀なリーダーです。

私は強力なリーダーシップを発揮できる人が、大好きですので、すぐに親しくなりました。

その方と私が、お会いすることを知った周りの人達は、忠告してきました。

「なんで、あんなやつに会うの? あいつには、気をつけろ!」と。

それで、聞きました。

「彼と会ったことあるの?」

 そしたら、ないのです。そして、なんでそんな忠告を言うかと聞くと、人からそう聞いたのだそうです。

 こんなことをしていたら、好きになれる人と出会えるチャンスを、自ら逃しているようなものです。

現に、その経営者と私は、その後、大親友となり、公私に渡って相談し助け合っています。非常に相性がいいようです。

 何しろ、お互いせっかちで、すぐにやらなければ気がすまないタイプですので、進むスピードがまったく同じなのです。傍から見ると目が回るようですが。