「あなたにとって仕事の目的って何ですか?」
仕事のことで悩んで相談に来られる人に、私はこんな質問をよくします。
なぜなら、目的をよく理解・納得した上で、何の迷いもなく全力でその仕事に打ち込むべきだと思うからです。迷いがあれば、本気で頑張れないため、成果も出ませんし、楽しめることなどありえません。
私は日本の大学を卒業して渡米し、夢にまで見た世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社のニューヨーク本社にプロフェッショナル・スタッフとして採用されました。当時私は、既に「国際経営コンサルタント」として10年後独立することを考えていました。
ですから、入社時での私の仕事の目的は、10年後独立できるくらい経験、知識、資金力、人脈を得ることでした。でも、それは仕事そのもののではなく、あくまでも、キャリアとしての目的でしかないことに途中で気がついたのです。
私があまりにも能力がなかったため、仕事についていけなくなり、目的がわからなくなりました。独立できるくらい能力を高めるどころか、いつクビになるかわからないくらい雲行きが怪しくなっていったのです。毎日戦々恐々として、集中して仕事などしていられません。
段々仕事することが苦しくなり、毎朝出勤時になると辛くて逃げ出したくなるのです。
それからです。「真の仕事の目的って何だろう?」と考え始めたのは。
ついに尊敬する組織のリーダーに相談しました。そして一括されたのです。
「真の仕事の目的とは、仕事を通して人間的に成長することです。だから、君が今直面していることから一歩も逃げてはいけないよ。挑戦し続けていけば、人間的にどんどん成長していくから、その目的に合致していることになる! ただ、辛いとか向いていないという理由で、今の職場から逃げて出して転職しても、また次の職場でも同じことが起きるから。とにかく今の仕事に全力投球しなさい。やり抜けばどんな仕事も楽しくなっていきます。やりきったことの充実感、達成感が仕事を楽しくするのです。だから、仕事の究極の目的は、人間的に成長することであり、それを楽しむことでもある。結局、楽しめなければ長続きしないから」
私にとってその言葉は衝撃的でした。悩み葛藤し続けていただけに、私の胸にストレートに突き刺さりました。とても真理をついていると痛感したのです。
それまで、私は、仕事の目的をテクニカルな側面からしか見ていませんでした。最も大事である仕事に対する基本的な姿勢や心構えが欠けていたことを思い知らされたのです。
「仕事の目的=仕事を通しての人間的な成長=やりきることでの充実感や達成感を楽しむ」という方程式を基に、仕事をしていった時、どんどん苦手なことにも挑戦し続けることもできるようになりました。と同時に、段々仕事も楽しくなっていきました。
結果的には、同期で一番スピード出世させて頂いたのです。