最近は共稼ぎの夫婦が増えています。それで、お互い戦争のような一日を過ごし、疲れきって帰宅します。夢や目標向けて毎日必死なのです。
ですから、ついつい家庭や家族のことはおろそかにしてしまいます。
別にどうでもいいわけではありません。いい加減な気持ちでもないのです。
精神的にも、体力的にも、時間的にも、ギリギリなのです。一歩家に入ると、とてもじゃないですが、家族に気を使う余裕が出てこないのです。そのくらい疲れきっているのです。
確かに夢や目標を達成させるため、毎日それらに向かって、突き進むことはとても大事だと思います。将来のために、若いうちにやっておかなければなりません。
しかし、よくよく考えてみて下さい。夢や目標に向かって頑張れるのも、しっかりした家庭があってのことです。家庭が不安な状態で全力は出し切れません。
それを忘れて仕事に没頭していると、突然家庭不和や崩壊が起こり、足元を救われることになります。
仕事は凄くできたのに、そのような家庭的事情でプロフェッショナルとして続けられなくなった人は、実に多いのです。
前に勤めていた会社の私の先輩にも、仕事では抜群の成績を残しておきながら、徹夜で仕事をして帰ったら、悲劇が待っていました。
奥さんが「もう、仕事しか興味のないあなたにはついていけません。さようなら……」という手紙を置いて、2歳になる赤ちゃんといっしょに蒸発してしまいました。その直後、その先輩は、やる気を失い会社を辞め、廃人同然となりました。
彼にとっては、実は愛する奥さんと子供のいる家庭が生きがいになっていたのです。ですから、家庭がなくなってしまったら、生きがいまで失ったのです。生きがいがあったからこそ、猛烈に仕事が頑張れていたのです。
では、家族といい関係で、家庭が安定する方法をご存知でしょうか?
いくつか方法はあるかも知れませんが、私は、すべては対話がカギになると確信しています。要するに、どんなに家庭のために時間を使おうと、また奉仕しようと、しっかり対話ができていなければ、迷惑、誤解、余計な世話になってしまいます。
私が最も尊敬する人で、20代で大組織のトップリーダーの一人になってから、1年365日のほとんど家に深夜まで帰れなかった方がいます。なんとそれが50年以上も続いたのです。
普通なら、そんなことを続けていたら家庭崩壊です。米国なら間違いなく離婚です。
しかし、その方の家庭は、私が今までに知った家庭の中で一番素晴らしいのです。凄く安泰なのです。
奥様も聡明でしっかりされていますし、ご子息達も、お父さんの模範的なリーダーとしての姿を見て、素晴らしいリーダーの卵に育ちました。
ある時、その秘訣を聞きました。
「家庭円満のポイントは、いっしょにいる時間の長さでもないし、ましてお金や物をあげることでも、何かをしてあげることでもありません。毎日少しの時間でもいいので、できるだけ誠心誠意の対話をすることです。忙しい中、仕事で大変な中、相手のことをわかろうとするその努力と強い愛情は、家族を感動・尊敬させ、絶対に崩れない信頼関係を生み出します。会えなくても、いっしょに過ごせなくても、相手を理解しサポートしようとして家族が精神的に団結するのです」
確かにその方のことを、夫として、父親として、またリーダーとして、奥様とご子息達は、強い尊敬の念と深い信頼感を持って、見守られてきたのでした。いつも家にはおられませんでしたが。
彼がやったことは、夜帰宅して、短時間ですが、就寝前に奥様としっかり対話をしたことです。ご子息達とは、土日の就寝前に同じことをしてきたのです。奥様やご子息達の相談に乗り、限られた時間で誠心誠意励ましてきました。
またある時、当社の最高顧問が言われました。
「大きな仕事をする人は余計家庭を大事にしなければなりません。家庭が揺らいでいては、仕事にすべてを賭けられないからね……」
歴史に残る命がけの波乱万丈の人生を送られてきた彼の言葉には心から感動させられました。
まず、家庭ありきです。家庭を大事にできなければ、最終的には、夢や目標も達成できません。万が一最初の夢や目標を達成したとしても、意味をなさなくなってしまいます。
就寝前のたったわずかな時間を家族との対話に当てるだけで、家庭の基盤はしっかりしてきます。目標を達成するためにも、家族のためにも、毎日対話は欠かさないよう努力していきましょう!