退社する直前は、その日のやり残したことの確認と処理をすることも大事ですが、明日やることの確認と準備も、明日の仕事を充実させ、成果を出すためにとても重要です。

 朝出社して、前日までの準備もなく仕事を始めるのと、既にしっかり順序立ててお膳立て・準備ができているのとでは、仕事上で成果は大きく違っています。

 特に、顧客、取引先、上司など敬うべき方々との作業を進めている場合、早め早めに相手に連絡をし、十分説明し納得・了解を得て進めていかなければ、協力してくれません。あなた以上に忙しい人々ですから。

 また、十分な確認・準備をその都度していかないと却って、目上であればあるほどへそを曲げられたり、相手にされなくなったりします。

たった一度準備を怠ったために、そのようにそれまでの苦労が水の泡になってしますのです。ですから心して要注意すべきです。

 そのために、会社から帰る際に必ず再度、明日やることの確認をし、必要であれば準備もしておきましょう! 例え時間がかかっても、です! 

そのためにあなたは雇われていることを肝に銘じましょう。「仕事は戦い」「職場は戦場」であることを、どんなに仕事に慣れてきても、絶対に忘れてはいけません。

それを忘れた瞬間あなたは足元をすくわれます。とても怖いことです。


 よく朝礼や会議が朝一番にあります。

できない人は、そのような会議に必要な資料や原稿を、「早めに出社して準備すればいいや」と思い、前日はさっさと帰ってしまいます。

 しかし、よく考えてみて下さい。

早く出社すれば、必ず資料作りは間に合うのでしょうか? 意味のある資料ができるのでしょうか?

朝来てパソコンやコピー機の調子がおかしくて、使えなかったらどうしますか。

また、実際に資料を作り始めたら、予想以上に時間がかかったり、必要な情報を入手するのに手間がかかり過ぎて、会議が始まるまでに資料が間に合わないということも有り得ます。

そうなってしまえば、それまでの準備の意味がまったくなくなります。

せっかく慌てて準備した資料も、会議が始まるギリギリまで作業していたため、確認する時間がなくなったため、用を足さなくなることもあるのです。

つまり、誤字脱字だらけだったり、大事なポイントが抜けていたり、間違えた表現をしていたり、おまけにあるべき表示や内容がなかったりという悲劇が起こります。

却って資料を準備したことが仇になってしまうことも結構あります。

私はそんな場面を何度も見てきました。


そんな時会議に参加している人達は一同に思うでしょう。

「なぜ前日のうちにしっかりと準備しておかなかったのだろう?」

 と同時に参加者は、資料提供者に対して、たった会議使う資料もまともに準備できない、いい加減で無責任な人としての評価を下すでしょう。

 人間の性格や習性はなかなか変わらないものです。

資料提供者は、当然その時は、後悔と大反省をします。しかし、また同じことを何度も繰り返すのです。

 退社する際に、たった明日やることの確認と準備を怠るために、どんどん信用を失くし、評価を大きく下げていくのです。最後は皆から相手にされなくなります。損なことです。


 会議の準備をするだけではありません。

 アポやスケジュールの設定、そしてその確認でも、翌日では「今日の今日」で遅すぎて間に合わないことも往々にしてあります。

 仕事のできる人、延いては、目標を達成できる人は、必ず人よりも先々のことを考え、事前に手を打ち準備します。だから、人よりも成果が出せるのです。

彼らは、知っているのです。仕事を成功させるカギは事前準備であることを。それも、遅くても前日までのです。