会社経営をしていて驚かされることがよくあります。

その中で、私が独立前に勤めていた会社での当たり前の仕事のルールから判断して、最近ビックリする事件がありました。

 それは、人によっては大したことではないと思うのかも知れませんが、業務日報を堂々と遅れて出す人が多いことなのです。それも、ひどいのになると、2ヶ月間業務日報を出さなくても平気でいる人もいます。普通の会社ならそんな人は即刻クビでしょう。

少なくとも私が前に勤めていた会社では、3日以上業務日報を出さなければ、警告、場合によっては減給です。そして、それを再度繰り返した場合、発覚した時点でクビになります。

 それだけ厳しいルールがあるところもあれば、会社によっては業務日報を平気で1週間遅れて出してくる常習犯をかかえているところもあります。

私が10年間勤めていた際は、出張中の期間は除いて、ただの一度も業務日報を遅れて出したことはありませんでした。

私だけではありません。その会社では、それが当たり前中の当たり前で、私が在職していた期間に、業務日報を遅れて出した人は誰一人としていませんでした。とても厳しい会社であったと同時に、上司の厳しさは半端ではありませんでした。

「できないやつ、やる気のないやつは、いつでも辞めてくれ!」が上司の口癖でした。

そんな経験をしてきたものですから、業務日報を遅れて出す人の気持ちが、私にはまったくわかりません。単なる会社と上司、また自分への甘えでないとしたら何なんでしょう? 

ただ、少なくとも、そんな基本中の基本が守れない人は、目標達成どころか、仕事自体全くできない人なのです。

そう考えると確かに、私の周りでも業務日報を遅れて出してくる人は、例外なく仕事ができない人です。それもかなりできないのです。

やはり「一時が万事」なのでしょう。

仕事の簡単なルールが守れない人は、難しいことや大きなこと、更に目標を達成できる訳がないのです。

 そもそも業務日報を何のために書くのか理解していないから、そんなあり得ないことが起きるのです。

 業務日報は文字通り、その日一日に行った業務(仕事)の報告です。しかし、できる人は、単なる上司への報告のためだけに業務日報を書きません。

せっかく、その日一日を振り返れる時であり、手段なのです。自らの成長のためになることに使わない手はありません。

つまり、勝負の世界で真剣に生きるスポーツ選手のように、業務日報を書きながら、一日の反省をするのです。単なる反省だけでなく、まず問題点、ミス、失敗を正確に把握し謙虚に認めます。そして同じ過ちをしないようにするためには、今後どうすべきかの改良点や解決方法まで、考えて記録しておくのです。

中には、改良点や解決方法がなかなか浮かばないこともあります。それはそれで、そのように記録しておけばいいのです。大事なことは、毎日業務日報に、書くことであなたの意識の中にしっかり留めることなのです。

これが問題意識を持つということなのです。

問題意識をもった人とそうでない人では、仕事面、更には人間的な面においての成長のスピードが違ってきます。

入社時点ではまったく同じなのですが、中身の濃い業務日報を書くことで、時と共にどんどん差がついていきます。1年も経てば、誰の目にもわかるぐらい仕事上の能力や人間性の違いがはっきりします。

やはり、同じ一日の仕事を終えるにしても、しっかり反省し、明日への課題を意識し、再度次の日に挑戦する人とそうでない人とでは、大きな差がつくのも当然と言えば当然でしょう。

丁度、業務日報を使って反省・向上する人は、毎日階段を一段一段上っていくようなものです。そうしない人は反省・向上をしようとしないですから、業務日報という階段が目の前にあるのに、全然上ろうとしないのと同然です。

もし、1年間に300日働いたとしたら、その2人の間には、立っている高さの位置に300段の違いができてしまうのです。

どちらが目標に近づいたか明らかではありませんか!