朝出勤する前にすれば目標に早く近づくことがあります。それは、その日一日の目標を達成させるために強い決意をすることと、そしてそれを深く祈ることです。

 ここでいう「祈る」とは、心から真剣に強く強く願うことです。

 それから、メモでも日記でもいいので、その決意と祈りの内容を朝書き留めることをお勧めします。書くことによって目指すべきことが、より明確で具体的になり、努力しやすくなるからです。

 渋沢栄一氏は、時間を大切にするための心構えとして、今日一日で人生が終わることを覚悟して生きていました。その意識で一日一日を全力で過ごしていたのです。

 もし、あなたは今日一日しか生きられないとしたらどうするでしょう。反応は様々だと思いますが、ほとんどの人は、その日一日を大切にするでしょう。それも、1分でも1秒でも、時間を惜しんで大切に使うことでしょう。

 目標を達成できる人は、同じ気持ちでやっているのです。同様に一日一日を本当に大事にします。明日はないものと思い、今日やるべきことを今日中に終わらせることに最大の努力をします。

 

なぜ、そんなに一日という単位に拘ることが大切なのでしょうか? 理由は簡単です。同じことの繰り返しである人生の最小単位が、一日であるからです。

 東洋思想では、朝起きることが、人生の「生」であり、夜寝ることが人生の「死」によく例えられます。その考え方は、生きていく上で、ある種の真理を説いているのではないでしょうか。

 と言うのは、どんな人でも一日は完結しているからです。起きてスタートし、寝るときにその日が終わるのです。ある意味で、人生と同じですよね。


 人生での目標を達成するためには、まず達成することを強く決意することから始まります。何もしないで目標を達成する「棚から牡丹餅」のような奇跡的なことは、めったにありません。万が一それで達成できたとしても、評価されるものではありません。また、それでは、その次の目標は達成できないでしょう。

人生の目標を達成させるためには、コツコツ努力するしかありません。人生の縮図である一日一日目標を設定します。そして、その目標が達成できるよう朝強く決意し、深く祈るのです。

その目標に対する毎朝の強い決意と深い祈りは、あなたの言動を大きく変えてくれるでしょう。やること一つひとつに対して真剣になります。

日産自動車を立て直したカルロス・ゴーン社長(当時)は、目標を達成するために最も必要なことは、その目標に対して強いコミットメントをすることだと言われています。

その強いコミットメントとは、目標に対しての強い決意と深い祈りとなのです。それを一日の出発である朝やれば、その日一日の目標が達成できる可能性が高まるのです。