大和書房から「成功の『新』ルール」という本を出します。以下その本のエピローグです。

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私の執筆への挑戦

 私は、今年から一ヶ月に一冊の本を出版することを決意し、実践している。

超多忙な経営コンサルタントという本業をしながら、本当にそんなことができるのかどうか極めて疑問ではあるが、とにかく挑戦したい。

それは、経営コンサルタントを始めた頃からの課題でもあった。


その道で経験豊かな出版関係者の方々は、有り難くも専門家としての警告をしてくれた。

「浜口さん、そんな無謀なことは止めた方がいいですよ! 第一そんなに一生懸命次々本を出しても、段々内容が似てきて、読者が飽きて売れませんよ!」

という具合だ。

 確かにそうなのかも知れない。

しかし、私は経営コンサルタントで、プロの端くれだ。一度、プロの経営コンサルタントとしての仕事の一貫として、本を書き始めたら、プロらしく、どんどん生産性を上げて、質の高い仕事をするべきだと考える。

要するに、私にとって、本を書くことも本業の一つの大事な仕事なのだ。


ビジネス書を書くことへの訓練

 また、出す本出す本、すべて中身や内容を変え、全力で書いていくことに挑戦し続けたいと思う。

幸いにして、米国にいた頃、テキサス大学経営大学院(ビジネス・スクール)で、7年間、ビジネス関連科目のほとんど(管理会計学、財務会計論、原価計算論、税務論、財務管理論、マーケティング、経営戦略論、国際経営論、組織論、労務管理論、オペレーション・リサーチ、経営数学、意思決定論、意思決定のための統計学、経営科学論、情報管理論等)をアメリカ人大学院生に教える機会を頂いた。

実務面では、勤めていた大手国際会計・経営コンサルティング会社で、一通りのコンサルティング案件をやらせて頂いた為、ほとんどどんな経営・ビジネス上での問題に対しても、コンサルティングできるように訓練してもらった。

つまり、ビジネス書を書くためのインプットとアウトプットの練習は、随分させて頂いてきたことになる。

先に述べたように、私にとって、ビジネスに関する本を書くことは、プロとしての仕事であり、趣味ではない。

だから、ビジネスのプロである限り、ビジネス書を書き続ける挑戦をしたい。それこそ、プロの意地として。

それで、書くからには、本当に皆さんの日々の経営・ビジネス活動に役立つような本にしたいと念願するものだ。


相談を受けアドバイスすることが私の天職

そもそも、私は経営者、特に起業家に対してあらゆる相談、つまり人生相談を引き受けるために、経営コンサルティング会社を、米国の大手国際会計・コンサルティング会社から独立して1992年にテキサス州ダラスで始めた。

人の相談に乗り、同苦、励まし元気づけることが私の天職だと痛感するからだ。

従って、本の出版を通じて、一人での多くの人に出会い、激励したい。他人のために生きることが、最高の人生であると私は確信するからだ。

なので、当面、笑われるかも知れないが、1000万人の人と本を通じて出会い、激励・元気づけたい。

そうするためには、もし、10万冊売れる本であれば、最低100冊書かなければならない計算になる。5万冊しか売れなければ、200冊書かなければならなくなる。

でも、ただ出版すればいいと言うものではなく、一冊一冊丁寧に渾身の力を振り絞って書いていくつもりだ。でなければ、たった一人の読者からも、共感は得られないだろう。


インターネット・ベンチャーの出現により、成功のルールが新しくなった

本著は、主に上場企業の社員研修用教科書として、2002年12月に書いた「MBAでは学べない 勝つ経営の本質」(日経BP企画)に次ぐ、ビジネスの警告書としては第二弾になる。

経営者、組織のリーダー、金融機関の方々、投資家、ビジネスに携わるすべての人々、そして、これからビジネスの世界に飛び込もうとしている人々に訴えたいこと、つまり「インターネット・ベンチャーの出現により、成功のルールが抜本的に新しくなりつつある」ことをストレートに説いた。

これを機にこの種の経営書もどんどん書いていくつもりだ。

そのためには、私自身もっともっと勉強し、それで得た理論、知識、考え方を、現場でのコンサルティングで一つひとつテストし検証していきたい。そして、知恵としていきたい。 

でなければ、「絵に描いた餅」になり、現実のビジネスや経営の世界で役立たないものとなる。


 最後に、私が考えた拙い企画と内容をそのまま本とすることをすぐに承諾頂いたにも拘らず、執筆始めるまで半年以上も待って頂いた大和書房の南暁社長、岡村季子編集部部長、また、私の作家エージェントであるアップルシードエージェンシーの鬼塚忠社長には、その寛容さと忍耐力に対し、ここに心からお詫びと感謝を申し上げたい。

 

終わりに一言。


「ベンチャーラッシュ時代」である21世紀の今、最大のリスクは、環境が急速に変わりつつあるのに、自分を変えようとしないことだ!