米国にいた際よく「ジャパニーズ・マネジメント・システム」(日本的経営制度)というテーマで講演を頼まれた。その際、通常必ず紹介したのが、「終身雇用制度」「年功序列制度」「企業内組合制度」「取引先や関連会社による株の持ち合い制度」「売上至上主義」「市場シェア至上主義」「稟議制度」「根回し制度」「集団合議制」「男尊女卑」だ。
ご存知の通り、これらは、日本企業においても健全経営観点から、最近弊害と認識され始めた。確かに高度経済成長期やバブル経済期においては、とても有効な手段ではあった。しかし、不景気が長年続いてしまった今、そのような資本主義経済に相反するやり方は続けられなくなっている。もし、続ければ、会社そのものが崩壊する。
残念ながら、これら日本的経営が問題であることを知りつつ、未だに続けている企業が多い。変える必要性を認識しつつ、変えられないでいる。本当の意味での危機感がないからだ。
日産自動車のように、崩壊寸前のギリギリのタイミングになってようやく、カルロス・ゴーン氏のような救世主を得、それで初めて日本的経営からグローバル経営に転換。長い間日本的経営の中にどっぷり浸かった企業の変革がどれほど大変か。
ここで自問自答してもらいたい。あなたの会社は未だに日本的経営を続けていないかどうかを。もし、そうだったら、手遅れになる前に、至急変革をすべきだろう。
再度確認しよう! あなたの会社がもう21世紀には通用しなくなった日本的経営をしていないかどうかを。次の10のポイントをチェックしてもらいたい。
(1)「終身雇用制度」=60歳や65歳など、会社が設定した定年時まで、成果を出さなくても働き続けられる
(2)「年功序列制度」=年齢や勤務年数によって、給料や役職が決まってしまう
(3)「企業内組合制度」=同一企業内で労働組合が構成されているので、海外での企業を超えた労働組合に比べ、協調性のある労使関係が保たれている
(4)「取引先や関連会社による株の持ち合い」=外部株主から会社や経営陣にとって不利な要求が通らないように、取引先や関連会社でお互い株を持ち合い、お互いに守りあう関係を作る
(5)「売上至上主義」=利益(率)ではなく、売上を増やすことに全力をあげる
(6)「市場シェア至上主義」=売上や利益の減少よりも、市場シェア獲得を最も重視する
(7)「稟議制度」=会議をしないで担当者が案を作って多くの関係者に回し、関係者全員承認を得る時間のかかる制度
(8)「根回し制度」=会議で無事に問題なく承認を得るために、会議の前に、会議参加者に個別に会い、説明・説得し賛同を得る
(9)「集団合議制」=何事も関係者全員かほとんどの人が賛成するまで時間をかけて話し合い決める
(10)「男尊女卑」=個人の能力は無視し、女性には男性に従属した仕事をさせ、給与や役職も男性未満にする
一部の方は信じ難いかも知れないが、このようなことを未だにしている
企業が日本には、沢山ある。こんなことをしていたら、国際的な競争に勝
てなくなるのは当たり前だ。
海外の企業が、男女かかわらず、能力主義・成果主義で、人材を適材適
所に配置し会社運営しているのだ。女性だからということで、能力があっ
ても、適職・要職につけないのは、会社にとって大きな損失だ。
もう、目を覚ましてもらいたい。中小企業たりとも、既に本格的な国際
競争時代に入っていることを。海外の企業とまったく同じルールで戦う
必要はないが、最低でも、年齢、性別、国籍、人種など、能力と関係
ないことで差別するのは完全に止めるべきだ。
紹介した昔ながらの日本的経営の一辺倒は、もう21世紀では、通
用しなくなっている。
これからは、既に紹介したが「日米融合経営」の実践に挑戦してもら
いたい。