仕事運、つまりいい仕事につける運を高めるためには、いくつかの方法があると思います。ただ、私は自分なりのやり方でやってきました。その方法を紹介します。

 いい仕事と出会い、実際にその仕事ができるようにするには、次の私が行ってきた10の実践法をやってみることお薦めします。


(1) 会いたい人、一流の人にどんどん会って、仕事に関するヒントやアイディアを貰う

(2) とにかくやりたいこと(アルバイトや趣味など)はどんどんやってみる

(3) 色々な仕事をやってみるか、やった人から体験談を聞く

(4) 生き方、運、仕事に関する本を読みまくる

(5) 様々なセミナーや講演会に参加して勉強する

(6) 仕事に関して多くの先輩に会って相談し参考にする

(7) 人の世話や応援をする

(8) サークルやボランティア団体でリーダーをやる

(9) 仕事に関わる人生設計をし、いつまでに何をすべきか等の目標を設定する

(10) 周りの人にあなたに向いている仕事・職種を聞きまくる


 私は、これらを高校三年生から大学卒業するまで実践しました。お陰で、仕事運がつき、卒業後、働くことを念願していた世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社、KPMGのニューヨーク本社に一発で採用になりました。それも、能力・経験・知識の観点から入社条件を満たしておらず、働く上で必須であった英語もできなかったにもかかわらずです。

 今から考えても奇跡としか言いようないくらい運良く入社できたのです。

 

また、テキサス大学経営大学院(ビジネス・スクール)の助手・講師の仕事も、私が応募した時は、既に40人近い優秀な人が先に応募し、順番待ち状態でした。しかし、その方々を押しのけ、たった一人の枠しかありませんでしたが、真っ先に私が採用されたのでした。成績の観点から判断されていたら、私はけっしてよくありませんでしたので、採用されなかったでしょう。幸運にも、選考権限のある教授が、やる気を一番考慮してくれたのです。

独立する前に、プライス・ウォーターハウスというKPMGと同規模の競合他社からヘットハントを受けました。その時、私の方で出した転職の条件は、次のような法外のものでした。


(1) KPMGで得ている倍以上の報酬を出す

(2) 二人の秘書(一人はバイリンガルの日本人、もう一人はトップクラスのアメリカ人)を私専属につける

(3) 監査、税務、経営コンサルティングの三大部門の総責任者にする


 当時、私みたいな28歳の青二才で、あまり経験・知識のない外国人にそのような条件で採用することは、まず有り得ないことでした。しかし、プライス・ウォーターハウスは全面的にそれらの条件を飲みました。

 更に、私は10年間コンサルティング会社で勤めた後、「国際経営コンサルタント」として米国で独立することを前提に人生設計し、そうなることを念願していました。そして、それを実現できたのです。

その時、十分な資金、勇気、自信、能力、信用、人脈等独立に必要不可欠なものがなかったのです。が、無事独立できたのは、先の雇用主であったプライス・ウォーターハウスのお陰なのでした。

というのは、同社が独立するのに必要な資金と経費の二年分を全額出してくれたのみならず、当時米国テキサス州ダラス市の一等地にあった事務所代や秘書代まで、全面的に面倒みてくれたのです。そのため、独立するのにほとんど費用がかかりませでした。

 他の同僚や先輩コンサルタントからは、「お前は運が良過ぎる!」と妬まれました。現実的には、その日のために、コツコツと努力と準備をし、運が強くなるよう仕掛け続けてきましたので、当たり前なのかも知れません。けれども、そんなに上手くいくとは夢にも思いませんでした。

運、特に仕事運は、待っていても現れません。丁度私が、紹介した10の実践法を行ったように、自分から前々からどんどん仕掛け、運が早く来るよう積極的に働きかける必要性があります。それでなれば、ほとんどの人がそうであるように、一生仕事運は高まりません。