既に紹介しましたが、平均的に働いている人の場合、一日24時間あるうち、1/3の8時間を睡眠に、1/3の8時間をプライベートなことに、そして残った1/3の8時間を働くことに費やしているようです。

この本を執筆し始めた頃、私の書き出しを読んで弊社の作家エージェントをして頂いている株式会社アップルシード・エージェンシーの鬼塚忠社長から、次の面白いコメントをもらいました。

「仕事が人生の1/3といっても大半の人間にとっては仕事は人生の8割でしょう。私にとっては9割です。なので、仕事の好き嫌いは、即、人生の価値を決定します。それは仕事ができる、できないよりも大きなことです。でも実は、仕事のできる人は、絶対自分の仕事が一番おもしろいと思っていますから、その両者はほとんど同じです。なので、仕事に納得いっている人は、人生そのものもいい方向に進みます。ということは仕事が好きになるだけ人生は大きく好転します。」

 なるほどです。先にも述べましたが、私にとって仕事とは次の等式で表せるのです。

「仕事=趣味=人生相談=人助け=ライフワーク=生きがい=命がけなこと=充実感があり楽しいこと」

 ですから、鬼塚社長が言われることはよくわかります。私にとって仕事はもしかしたら人生のすべて、つまり「仕事=人生」なのかも知れません。そんな実感はあります。

普通ならバランスが悪くても、行き詰るはずですが、不思議にも現在までそれでも上手くいっています。たぶん、まわりの人が私という人間や価値観をよく知っていて、合わせてくれているからではないかと思います。


 いずれにしても、言えることは、ほとんどの人の場合、人生にとって仕事は最も大事なことの一つでしょう。特別に裕福な人は別にして、仕事をしなければ、食べてはいけません。 

よく「収入を得るために仕事をする」のか、「仕事した成果として収入を得る」のかの生き方が問われます。皆さんは如何でしょうか? 

最初は「収入を得るために仕事をする」のが自然ですが、いつまでもそれを続けていたら、お金に生活や人生を振り回されることになるでしょう。どこかの時点で、生活できるだけの継続的収入は維持できるようにし、「仕事した成果として収入を得る」よう生活バターンを変える必要性があると思います。

その時に、重要になるのが、鬼塚社長が言われるように、仕事が好きになれるかどうかではないでしょうか。「好きこそものの上手なれ」ですから、好きであると限りなく時間を使い、工夫します。我慢して努力し続けることもできます。

「継続は力なり」とか「ローマは一日にして成らず」と言われます。好きな仕事であれば、毎日コツコツ地道に頑張り抜けます。気がついたらその道のプロになっていたりするのです。それも、人によっては、第一人者に。


私も、ベンチャー企業への国際的にコンサルティングをするビジネス・モデルで独立することを決めた時、直属の上司以外、ほぼ全員に反対されました。

「絶対に儲からないからすぐ止めることになるだろう。止めときなさい!」と。

コンサルティング・サービスを提供する相手が、ベンチャー企業ですから、資金的に厳しくて、支払能力がなかったり、倒産したりで、収入が確保できないとの指摘を頂きました。確かに理論的にはその通りです。案の定、私より先に同じビジネス・モデルで独立した人達は、悉く失敗し、ビジネスを止めて勤め直しました。

 私は、ベンチャー企業へのコンサルティングが大好きでしたから、そのサービスでどうしたら会社が存続できるかをいつも徹底的に考えていました。結論としては、そもそもビジネスでは大した収入がないことを見込み、コストをギリギリに抑え、損益分岐点もできるだけ下げられるよう様々な工夫をし、手を打ちました。

 お陰さまで、大して収入がなくてもやっていけるような体制を作りました。ですから、創業して今まで、14年間一度も赤字にしないでなんとかやってこれました。

同業者がほとんど失敗して撤退する中、どうしてそんなことができたのかと、彼らからよく質問を受けます。私はいつも同じように答えます。

「好きなので、四六時中考え、いいと思ったことはすべて実行してきたからだと思います。やはり好きでないとすぐに飽きてしまい努力を怠るのではないでしょうか。そもそもビジネスそのものが好きなので、どんなことがあろうとも絶対にやり通すことは決めていました」

 私にとっては、人生を賭けての独立であり、仕事だったのです。好きで好きでしょうがないので、それだけの価値があると判断しました。

本来仕事は人生を楽しく有意義にするものです。好きなため、やりがい、生きがいを感じ、人生を賭けて仕事に打ち込めれば、幸せな生き方とは言えないでしょうか。