「浜口、お前この会社についてどう思う?」
「私の起業コンサルティング経験から、この会社にはかかわらない方がいいと思います。理由は、経営陣に力はなさそうですし、事業として急成長する見込みがないからです」
「○○は、どうだ?」
「はい、私も浜口社長と同感です」
「XXは?」
「私も、この会社は、万が一上手くいっても、大きくはならないと思いますので、今回の投資は控えられた方が得策だと思います」
「よし、わかった。皆がそう言うなら、一目瞭然だな。今回のA社への投資は止めよう!」
「超」高収益企業であるゼネラルエンジニアリングの河合光政社長との打ち合わせの際のやり取りです。河合社長は、私の兄のような存在でもあるのですが、彼の意思決定の仕方には大いに学ばさせてもらいました。
河合社長は、重要なことを決める際は、必ず関係者や専門家を一同に集めて、皆に自由に意見を言わせます。普段はワンマン社長なのですが、この時は、人の言うことを徹底的に聞きます。それも、人の意見を聞きながら、自分なりの客観的理論的な分析も同時に行います。
人間自分が好きなことややりたいことであれば、すぐに取り掛かりたいですから、わかってはいるものの、ついつい人の意見も聞かず、思い込みで突っ走ってしまいます。河合社長の意思決定における冷静さはいつも感心します。そこには、私情を一切入れず客観的合理的に決めるのです。
人の上に立つ人は、冷静で客観的合理的な意思決定をする癖が必要です。それはあたりまえのことなのですが、なかなかできないのです。普段からそうするよう行動としてのパターン化をさせておかないと、ついつい反射的に飛びついて、同じミスを犯してしまいます。
ですから、大事な意思決定をする際は、関係者と専門家全員の意見をまず聞きましょう。そして、それらを参考にして、問題点を十分把握した上で、最終的には自ら信念で信じる道を選びましょう! そうすれば、出世のスピードも速くなりますよ!