「自分にとって『働くということ』の意義がわからないのですが、教えてもらえますか?」


私は人生にとって働くことは最も大切なことの一つだと思っています。だって、一日24時間あるうち、3分の1の8時間を睡眠に、3分の1の8時間をプライベートなことに、そして残った3分の1の8時間を働くことに費やしているのですよ。

そしたら、「働くことの意義がわからない」となると、悲しいことではありませんか? やはりなんと言っても、人間にとって働くことは、生きがいにならないと、毎日が辛くなってくると思います。

特に今働いていることが厭であれば、悲劇です。例え嫌いなことでも、将来に繋がることであれば、生きがいが出てくるはずです。

まず、しなければならないのは、将来どうしたいのか、どうなりたいのか、どんな仕事をしたいのかを考えることです。つまり将来自分がしたい仕事のことを明確にするのです。

しかし、自分が将来何をしたいのかがわかれば皆さん苦労しないでしょう。ほとんどの人が、それがわからないので悩み葛藤しています。だからと言って待っていても、見つかりません。とにかく行動を起さなければ何も始まらないのです。

お薦めしたいのは、とりあえず自分の好きなことやしたいことを考え、その分野の仕事を始めてみることです。更にどんどん好きになって気が着いたら、毎日楽しく仕事ができるようになっています。そして、その道のプロになっていることでしょう。

また、何が好きなのか、今何をしたいのかがわからない人は、逆転の発想で、何が嫌いなのか、したくないことは何かを明確にすれば、それら以外のことをまず始めてみればいいのです。

私は、小学生の時から、勉強が大の苦手でした。暗記力が人より極端に悪かったので、勉強しても、すぐ忘れてしまうのです。ですから、試験でできたためしがありませんでした。

そのお陰で、人と同じ事をしていたら、一生苦しまなければならないことを小学生で悟りました。おそらく、小学生の時から、「働くということ」をずっと考え続けていいたのだと思います。

と言うのは、勉強ができなく成績が悪かったので、母がよく言っていたからなのです。

「直太は、勉強できないし、好きでもなさそうだから、義務教育が終わったら、働き始めた方がいいね。どうせ学校行っても、学べないんじゃ、時間と学費もったいないからね」

確かにその通りです。嫌いなことで一生懸命やっても、なかなか成果はでません。ですので、私もその気で、どんな仕事をすればいいのかよく考えていました。

最初は、幼稚園に行っていた時から、トンカチを持って木で何か作るのが好きでしたので、大工さんになりたいなあって、漠然と思っていました。でも、実際に大工さんについていっしょに行動したところ、自分が高所恐怖症であることがわかり、現場で仕事ができないことがわかりました。それで泣く泣く諦めたのです。

その後、両親が、寿司が大好物であることがわかり。当時、苦労ばかり両親にかけてきたので、何とか報いたい、喜ばしたいと思うようになりました。ですから、寿司職人になって、両親にいつでもお腹いっぱいお寿司を食べさせたいと思ったのです。

ところが、近所の寿司屋さんにちょくちょく行っているうちに、寿司職人になるためには、とんでもない修行を長年しなければならないこと、そしてその上、鬼のような親方について逆らわずなんでも言われた通りスピーディーにしなければなりません。私の性にはとても合わないことがわかりました。 

そうこうするうちに、今度は、子供ながら車の運転に興味を持ちました。ゲームセンターのカーレースのゲームをやっているうちに、将来車を運転する仕事をしたくなったのです。ある時、ハッと思いました。「お金をもらって一生楽しくドライブできるなんて、そんな私に合ったすばらしい仕事はないのではないか」と。それがタクシーの運転手(乗務員)だったのです。

それで、何度かタクシーに乗せてもらっているうちに、たまに運転するのは、楽しいのですが、毎日朝から晩まで運転することは大変であることがよくわかってきました。特に「厭な客でも拾って、文句や厭味を言われながら運転しなければならないなんて、なんて苦痛な仕事だろう!」と思うようになりました。

そんなことで、タクシーの運転手になる夢もいつしか消えてしまいました。でも人と同じことをしたら、自分には能力がない分苦労することは歳をとればとるほど痛感するようになりました。

なんとか高校3年生になってついに「これだ!」という天職を見つけたのでした。それが今している国際経営・起業コンサルタントなのです。

どうやって見つけたのですか? ある時、本屋に行って「英語を海外で学ぼう!」という本を見つけ、将来海外に行きたかったことと、本の内容が面白かったので、その著者に会いに行ったのです。

そしたら、その方の本業が国際経営・起業コンサルタントで、いつも楽しく仕事をされていたのです。あまり自由にかつ楽しそうに仕事をしているのを見て、「僕も彼みたいになりたい!」「彼と同じ仕事がしたい!」と思うようになったのです。

「働くということ」は、楽しいことであるべきです。ただ、楽なことをするから楽しいのではなく、好きなことをしながら自己実現ができるから、例え仕事の内容自体は大変で厳しくても、結果的には楽しくなっていくものです。

「仕事の持つ厳しさの中に、働くことの本当の楽しさが味わえる」。これは、私が日々実感していることです。真剣にコツコツやれば、嫌いでない仕事なら、結構楽しくできますよ。

ですから、私にとって「働くということ」は、「仕事を一生懸命楽しむこと」なのです。一生懸命やれば、ご褒美として人間性も向上してきます。一石二鳥ですね!