多くのベンチャー企業は、最初上場に必要な主幹事証券会社選びに失敗しています。ただ単にパーティーなどでたまたま知り合ったとか、知人の紹介とかの成り行きで決めてしまうからなのです。

上場準備に入れば、通常上場するのに問題となる障壁がいやになるくらい出てきます。主幹事証券会社のアドバイスと支援を得ながら、どんどん解決し乗り越えていかなければなりません。ですので、問題解決のためにどれだけ親身になって真剣に取り組んでくれるかがポイントです。もっと言うと担当者や証券会社と相性が合うかどうかです。

 主幹事証券会社を選ぶ上で考慮すべきことが少なくとも2点あります。まず、フットワークがいいこと、そして融通性があることです。上場するということは、その様々な規定をクリアしなければなりません。最初から規定をクリアできている企業などほとんどありません。実際には一つひとつ規定に合うよう解決していくのです。

 もし、フットワークが悪かったり、融通性がなければ、至急担当者を替えてもらうか、主幹事証券会社そのものを替えるべきです。と言うのは、担当者や証券会社が協力的でない場合、上場準備がどんどん遅れ、上場時期も予定通りいかなくなるからです。怖いのは、それが長引くと、売上や利益が落ちるなど事業そのものへの悪影響が出てきます。

 弊社は上場準備の支援も日本のみならず国際的にもやってきましたが、証券会社、特に担当者にフットワークや融通性がなければ、顧問先企業には容赦なく主幹事証券会社を替えてもらっています。厳しい上場審査をクリアしなければならないため、ある程度、会社に厳しいことを要求してくるのはあたりまえです。が、必要以上に融通性のない証券会社は、上場までの長い道のりの間で、ベンチャー企業の経営陣、監査法人、また弊社のようなコンサルタントなどと必ず揉めますので、相性が合わないことがわかった時点で、すぐに交代させるべきです。

 主幹事証券会社を決める際は、3社以上あたり、一番相性のいいところを選びましょう。