会社を上場させることを決めたら、監査法人に会社についての「ショート・レビュー」を依頼することをお勧めします。「ショート・レビュー」とは、日本語では「短期調査」と言われます。監査法人が上場する会社の経営・組織体制をチェックし、あるべき姿を示すと同時に、問題・不足点を指摘してくれる3日間位の短期間で行われる調査を指します。
「ショート・レビュー」をやることによって、会社の内部管理体制上の問題点が明確化し、どうしたら上場できるのかもはっきりします。ですので、会社の組織や管理体制強化には有効な方法です。元々投資家が会社に投資するに当り、判断に必要かつ正確でタイムリーな情報を得るため、内部管理体制の信頼度を知る意味で「ショート・レビュー」を依頼していたのですが、会社側としても、人間で言うと「健康診断」のようなものですので、会社の悪いところや問題点がわかり、経営上とても有益なチェック・ツールになります。
これによって、社長を含め社内で不正やミスを犯している人・部署・システムがあれば、明らかになります。ですので、長年ワンマンで個人と会社間で非常識な取引や不正に関与してきた社長や経営陣は、「ショート・レビュー」を受けることを嫌がります。もし、社長や社内の人間が、「ショート・レビュー」の実行を嫌がれば、何か知られたくないことがあるので注意すべきでしょう。費用の問題で、「ショート・レビュー」を拒否する社長や役員がいたら、「10万円で『ショート・レビュー』をしてくれる大手監査法人もある」ことを知らせましょう。彼らはショート・レビューを10万円で3日以内に終わらせます。
「ショート・レビュー」を受けると、いつ頃上場できて、いつ頃から本格的な上場準備を始めなければならないか、通常監査法人の担当者が教えてくれます。私の経験から、上場を目指しているのに、「ショート・レビュー」を受けたがらない会社は何か裏があります。だって「ショート・レビュー」を受けたがらないのは、外部に出せない何かがあることは間違いありません。そんな会社は信用して投資してはいけません。伸びる会社は、「ショート・レビュー」を喜んで受けます。