「社員のくせに社長の俺より収入があるなんてけしからん!」
ある中小企業の社長が言いました。彼が作った成功報酬制度に乗っ取ると、営業成績抜群の二人の社員が結果的に社長の報酬を超えてしまいました。結局、その制度は、社長が「おかしい!」と判断し廃止となりました。
「社長である私が会社に命を賭け、一番苦労して経営しているのだから、どんなに営業成績が良いからといって、社長より報酬が多いのはおかしい!」
これが彼なりの理由付けでした。その優秀な二人の社員は、その報酬制度が廃止になることがわかり次第、退職してしまいました。その後再就職した別々の外資系企業で、二人とも、どんどん成果を出し、大きな報酬を得ているとのことです。
米国にいた時、急成長しているベンチャー企業をよくコンサルティングしました。その際、「社長より稼げる社員が多いこと」が急成長している会社の共通点でした。あたまりまえと言えばあたりまえだったのかも知れません。成果に応じて年棒やボーナスが決まっていましたので、成果をあげればあげるほど、どんどん報酬が増えるのです。
これは、プロスポーツの世界と同じです。米国で3大報酬スポーツ、(アメリカン)フットボール、ベース・ボール、バスケット・ボールのトップ・プレーヤーの報酬をご存知ですか? 企業の社長のように、総指揮をとる監督の年棒が1億円届くかどうかであるのに、数十億円の年棒を得ているプレイヤーがかなりいるのです。考え方からすれば、チームの収入源となる、いい成績を残し観客を呼ぶのは、勿論監督が適切な訓練をし、指揮をとるからでもありますが、何よりもスタープレーヤーの凄いプレーがあるからです。
ベンチャー企業も同じです。ベンチャーが伸びるのは、当然社長の力量もありますが、現場で成果を出してくれる社員がいるからです。ですので、社長は成果を出す社員には自分の報酬など比較せず、どんどん報酬を出すべきです。そうしないと、優秀な社員ほど、やる気をなくし、会社を去っていきますから。