サム・ウォルトン(ウォールマート)、マイケル・デル(デル・コンピュータ)、ノーマン・ブリンカー(ブリンカー・インターナショナル)、テッド・ターナー(前CNN)、ハーブ・ケレハー(サウスウエスト航空)、メアリー・ケイ・アッシュ(メアリー・ケイ化粧品)、松下幸之助(松下電器産業)、盛田昭夫(ソニー)、伊藤雅俊(前イトーヨーカ堂)、渡邉美樹(ワタミ)、坂本孝(ブックオフ)、池森賢二(ファンケル)、千本倖生(イー・アクセス)、南部靖之(パソナ)、宋文洲(ソフトブレーン)等々 

「起業家はいい意味で気違いでなければならない」

お会いしてきた、これら起業家の言動を垣間見る度に浮かぶ言葉です。「ベンチャー経営=軌跡を起こす経営」ですから、起業家は、ある意味で気違いでないと務まらないでしょう。

また、私が言う「気違い」とは「普通の人と気(持ち)が違う」つまり「命懸け」という意味でもあります。そもそも、修羅場を何度も潜り、苦労の連続となるベンチャー経営です。普通の気持ちや考えでやっていたら務まりません。

そのビジネスが、寝食忘れてできるくらい、好きで好きでたまらないとか、世のため人のために命懸けで人生すべて投げ打ってやるくらいの決意がないとできません。これを普通の人から見て、「気違い」と言わずしてなんと言うのでしょう?

逆にそれだけの思いがあれば、何度も何度も失敗・挫折しても、必ず乗り越え成功させられるでしょう。最初に紹介した起業家の方々は、それを実践し大成功を収めたのです。

自著「あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール」(明日香出版社刊)で、カール・サンダースの起業家としての「気違い」ぶりを紹介しました。彼は、度重なる事業の失敗を諸ともせず、65歳で世界初のフランチャイズ・ビジネスとなるフライド・チキン屋を始めました。それを遂に世界最大級のファーストフード・レストラン「ケンタッキー・フライド・チキン」(KFC)へと成長させ、大成功させたのです。

いい意味での「気違い」になることはベンチャー経営において必須なのです。