社長の大事な仕事の一つは、社員の優れた意見や知恵を吸い上げ、経営に取り入れることです。と言うことは、会社を伸ばすためには、「社長よりできる社員」を何人雇えるかがポイントの一つになります。

それでは、「社長よりできる社員」をどうやって見つけ、どうやって雇えばいいのでしょう? 「社長よりできる社長」を見つけて雇うのは至難なことなのです。これは一度でも、社長業をやった人であれば痛感できます。それがなかなかできないからせっかく起業しても、会社が成長しないのです。それでも、日米アジアで急成長してきたベンチャー企業を見てきて、「社長よりできる社員」を見つけ雇うための目安を自分なりに見つけました。

それは、社長とまったく違うタイプで「起業家精神」持つやる気満々の人を雇えばいいのです。自分と違う人は、自分にはないものを持っています。ですので、ある面において確実に自分よりできる人なのです。とすると、社長にないものを持っていれば、社長と違う発想し、新しい息吹や価値観を会社に生んでくれます。人間ですから、すべてにおいてできるということはあり得ません。社長がある面で秀でていて、社員が違う面で社長よりでき、それを社長が認め採用していけば、会社はどんどん伸びます。

ベンチャーで伸びていない会社は、起業時は新しいことに挑戦しようとしていたにもかかわらず、時と共にマンネリ化してしまったところです。つまり、斬新だったのは最初だけで、その後は普通の中小企業になり下がってしまったのです。そういう会社の共通点は、「社長よりできる社員」が一人もいないのです。ですから、社長も「おまえら皆バカだ! だから、俺の言うことの方がいつも正しいから従え!」と、悪い意味で段々ワンマンになってしまったところです。

「社長よりできる社員」を何人もかかえている代表的な会社にブックオフがあります。お酒をいっしょに飲んだ際、坂本社長がしみじみ語っておられました。「浜口さん、うちは私よりできる社員達でもっているんですよ」と。器が大きい社長だから言えることです。