起業家が最も多く犯しやすい割には、致命的な間違いの一つに、経理・財務管理体制確立を先延ばししてしますことが挙げられます。会社が軌道に乗るまで、お金をできるだけ使わないようにするのはいいのですが、経理・財務管理体制を確立・維持するのにかかる費用までケチることは、経営上の重大な判断ミスです。

と言うのは経営上の意思決定に重大で正確な財務情報が得られないばかりか、資金調達にも必要な財務情報を資金提供候補者にタイムリーに出せないからです。会社をスタートさせたら、予想以上にお金がかかり、当初準備していた資金はあっと言う間になくなるのです。従って、慌てて資金調達をしなければならなくなるのがベンチャー企業の宿命です。

ぜひ覚えておいてほしいのですが、お金は急に必要になっても、スピーディーに調達できることはまずないのです。業績が安定している大企業ならいざ知らず、いつ潰れるかわからないベンチャー企業に資金提供するとなると、銀行だろうと、投資家だろうと、リスク分析・管理のために、徹底的に相手先企業のことを調べます。

普段より経理・財務管理体制を確立し、スピーディーかつ正確な財務情報を出せるようにしておかなければ、急な資金ニーズに対応でないため、会社は財務的危機に陥ります。

そんな悲劇を回避するため、絶対にやるべきことがあります。会社を立ち上げたら、社内の素人に経理・会計業務をやらせるのではなく、専門家である税理士や会計士などにアウトソース、即ち請け負ってもらうべきです。それによって、効率的かつ間違いのない経理・財務管理体制の確立が速やかに行うことができるようになりました。

専門家に当初からかかわってもらうことのメリットは、最初に間違いのない効率的かつ効果的な経理・財務管理体制を引けることです。また、いい加減かつ遅い財務情報を経営者や資金提供者を得ることになり、関係者から信用されなくなるのみならず、不安にさせる状況を生み出します。そうなったら、起業家は意思決定を間違え、資金提供者は、不信を起こして、資金提供どころか、既に資金を出していれば、回収を始めることでしょう。