起業する時に、起業形態に拘り迷う人が多いようです。日米アジアで多くの会社を設立し立ち上げの支援をしてきて、この点について一言申し上げたい。「起業形態に拘らず、さっさと設立し、いかに事業面での成果、特に売上や利益を出すかに集中して下さい!」

 私が20年以上の起業支援で知り得る限り、起業において形やプロセスに拘る人は、実際の事業で成功できない人が圧倒的に多かったのです。ビジネスは「まず売上、つまり儲けありき」です。売上や儲けもないのに、会社を創るプロセスや形態を気にして、時間やお金をかけていては本末転倒です。

 勿論、税理士・会計士・司法書士・経営コンサルタント・中小企業診断士などの専門家のアドバイスを受けた方がいいですが、最後は「えい、や~!」でもって、どんどん起業手続きを進め、本業に力を入れていきましょう。

株式会社でも有限会社でも他の形態でもいいのです。場合によっては、あなたの事情を理解した専門家が提案するなら、海外に会社を創り、日本をその子会社や支店にしてもいいのです。ポイントは、売上が出て儲かってくれば、後からいくらでも変更・修正は可能なのです。ですから、迷う場合、最低資本金で株式会社を創っておけば無難です。

また、決算日もいつでもいいのです。これも、日本においてほとんどの会社の決算日が3月末になっていますので、それに合わせてもいいと思います。ただ、もし初年度からできるだけ黒字にしたければ、設立月の月末から11ヶ月後を決算日にすればいいのです。初年度の期間が一番長くなり、一日でも多くの売上高を入れられるからです。

とにかく、まず「いかにお金をかけずに儲けるか」にすべての知恵・労力・時間を費やして下さい。起業で失敗する最大の理由の一つは、創業時に無駄なことに時間とお金を使うことです。私も、起業支援していて、会社設立時はいつも、株主も取締役も決算関係の取り決めも、すべて簡単にしてもらっています。最初からテクニックを使って複雑にする理由はまったくありません。