いよいよ起業する時、パートナーを見つけて組むと事業のスピードが速まり成功する確率も高まります。米国ではパートナー3人又は4人で会社を立ち上げることが多いです。もし、あなたが代表取締役社長となるのであれば、米国で言うところの最高経営責任者(Chief Executive Officer: CEO)になります。文字通り経営の最終責任を負う代表です。

そして、技術のプロとなる最高技術責任者(Chief Technology Officer: CTO)と、会計や財務、即ちお金にかかわることでのトップとなる最高財務責任者(Chief Financial Officer: CFO)を入れ、3人で経営チームを作ります。しかし、もう一人、CEOが掲げた方針や目標を現場で実行に移し管理する参謀役(又は番頭)たる人がいると管理体制ができ経営がスムーズです。その人は、米国では最高執行責任者(COO: Chief Operating Officer)と呼ばれ、COOを入れると経営チームは4人になります。

20年近く米国にいて、米国流の効果的な起業方法を体験した上で帰国して不思議に思うことがあります。日本では、社長が一人でなんでもかんでもやるのです。米国では「餅は餅屋」で、経営や事業において専門的なことが多々あることから、できるだけ専門家や経験者に任せた方が時間的にも費用的にも得策であるということが常識になっています。素人が無理してやっても、返って間違えて大事になることも往々にしてあります。

ですから、CEOは、自分で全部やらずに、パートナー達、即ちお金のことはCFOに、技術のことはCTOに、総務・管理的なことはCOOに任せた方が上手くいきます。

しかし、パートナーを選ぶ際に最も気をつけなければならないことがあります。専門分野でもあるため、パートナーはある程度専門能力が必要です。が、それ以上にベンチャー企業の立ち上げですので、積極性と責任感がないと、CEOとのスピードと責任感の差が時間と共に段々大きくなり、残念ながらCEOや経営チームに着いていけなくなります。

経営経験がない起業家は、パートナーたるCFO、CTO、COOを選ぶ際、専門能力を重視してしまいます。ですから、意識して積極性や責任感がある人を選んで下さい。