起業するのに、行動することなくず~と考え込む人がいます。そもそもビジネスはやってみないとわからない世界です。独立を決めたら、あれこれ考え込まず、最小限でいいので、まず会社を創ることです。大事なことは、会社設立時には売上はないのにもかかわらず、経費がどんどん出ていくため、できるだけお金をかけず設立・運営することです。

 会社を創るのとそうでないのとは、頑張らなければならないプレッシャーの度合や真剣味が違ってきます。一度創業したら、それまでの夢や理想のような曖昧なことはさて置き、稼ぐため具体的にどんどん決めて進めなければなりません。

株主、取締役、代表取締役(社長)、顧問、相談役、税理士、所在地(登記場所)、形態(株式会社、有限会社など)、事務所、取引銀行、従業員など様々なことを短期間で決めます。そのため段々事業に対し真剣になり、具体的に行動し始めます。出費もどんどんかさむことから、一日も早く一円でも多く稼がなければならないように追い込まれます。

 私は20年近く米国にいた際、最初の10年間は国際会計・経営コンサルティング会社に勤務し、後半は独立し、国際経営・起業コンサルティング業を行っていました。が、突然父が脳梗塞で倒れ、帰国した際には、日本で何をすべきかまったくわかりませんでした。  

何も決まらないまま時間ばかり経っていったので、とりあえず会社だけ創りました。売上の目処は立っていませんでしたので出費は極力抑えるため、事務所も敷金・礼金がほとんどない、実家近くの小さな安い住居用マンションを借り、毎日何をするか考えました。その間、1000以上の事業案を考え、結局、米国でもやっていた好きな仕事、起業家へのコンサルティング、つまり「起業コンサルティング業」をやることにしました。ただ、米国では上手くいきましたが、日本でも上手くいく保証はまったくありません。現に、後から異業種より素早く参入してきた大手は、大赤字を出し次々と撤退していきました。

私の方は、好きな仕事なので寝食忘れて色々工夫・努力し、創業以来毎年増収で黒字を続けています。あまり考えずに会社を創りましたが、好きな仕事や事業が続けられること、また頑張ってくれている社員やパートナーに大感謝です。