「起業するなら、まずその業界にある会社に勤めて経験・知識・人脈・信用力をつけてからの方がいい」とよく言われます。私は、それは一般論であり、あまり賛成できません。起業するタイミングは、やる気さえあれば、若ければ若いほどいいと思います。

起業で大成功した経営者を見て下さい。スティーブ・ジョブ、ビル・ゲイツ、マイケル・デル、孫正義、渡邉美樹、堀江貴文・・・・・・。挙げれば切りがありません。彼らは皆、学生時代か卒業直後に起業しています。ほとんどサラリーマン経験なしです。それでも、ご存知のように世の中に大きな影響力を持つ大起業家になっています。彼らはまだ、三十代から四十代です。まだまだ事業を拡大できます。

 ある時、イマジニアの神蔵孝之社長と話していた際、彼がお世話になった先輩起業家、ミサワホーム創業者の三沢八千代氏が言われたそうです。

「起業するなら若い方がいい。できれば二十代のうちに。」

 その理由は簡単でした。起業には体力と気力がいるからです。三沢氏が言われるように、体力・気力・知力で総合的に最も優れている時期は、二十代です。私も起業してみて思うのですが、「二十代で、できればその前半に起業するべきだった!」と。私の仕事、経営コンサルティング業では、起業するのに、既に紹介した経験・知識・人脈・信用力が必要であることが業界の常識になっています。実際に米国と日本で、経営コンサルティング会社を創業し経営してみて、その考え方はもう当てはまらなくなっていることに気付きました。

 学生時代や高校・大学卒業直後から経営コンサルティング業を始めて、成功している人は世の中にいっぱいいます。ポイントは、最初からあまりお金をかけないように、また失敗してもいいように、小さく始めればよいのです。大きく始めるから取り返しがつかないくらいの大失敗をしてしまうのです。もし、あなたが若過ぎるという理由で起業をためらっているならば、ぜひ勇気を出して起業してみて下さい。失敗したらまたやり直すなり、勤めばいいじゃないですか! それも若いからこそ許され、堂々とできるのです。