「浜口さん、お金を稼ぐのは経済学で、使うのは美学ですよ

 尊敬する現代人間科学研究所の飛岡健所長がよく口にされる言葉です。私も仕事柄様々な経営者にお会いしてきて、まったくその通りだと痛感します。

 ビジネスにおいて、稼ぐ時はしっかりした論理でシステムやビジネスモデルを構築し、スマートに実行しなければ上手くいきません。方や、お金を使う時は、人のため社会のため、つまり、支えて下さっている方々に喜んで頂くようにすることが、そのビジネスや経営者が社会に受け入れられ支え続けられるポイントでもあります。

 これは、経営者に限ったことではありません。組織の中でもまったく同じことが言えます。まわりで尊敬できる人、リーダーとしてついて行きたくなる人を観察して見て下さい。まずこの「お金を稼ぐは経済学、使うは美学」を実践しています。

 世の中見渡して見ますと、お金を経済学的にガンガン稼ぐ人はいっぱいいます。また、使うことに格好をつける人、自分のためだけに使う人、けちって使わず貯めてばかりいる人、そんなタイプが圧倒的に多いいのです。そもそも、稼がないと格好よく使えませんので、まず稼がなくてはいけませんが、稼ぐことに徹底し過ぎて、バランスを欠き使い方に気を配らない人は、本当の出世もできませんし、人間としても一流にもなれないででしょう。

世のため人のために使うことを考えず、ただひたすらお金を稼いでいる人は、一時的に事業で成功したように見えるかも知れませんが、それは虚像です。皆さんのまわりにもそんな人は結構いると思います。最終的には人から裏切られ失敗し惨めな人生で終わります。

「所詮沢山稼いで貯めて残しても、死ぬ時には墓場までお金は持って行けませんね」

 よく聞く言葉です。であるならば生きているうちに、稼げた感謝の印として、人や社会のために使いたいものです。どれだけ感謝されることか。故メアリー・ケイ(化粧品業界の女王)、故トラメル・クロウ(不動産王)、リチャード・レインウォーター(天才投資家)、ロバート・デッドマン(ゴルフビジネスの神様)等等、私は米国にいた際、大事業家兼大富豪の顧問をさせて頂きました。皆さん「立身出世」のお手本のような方ばかりで、「お金を稼ぐは経済学、使うは美学」は彼らの共通点の一つでもありました。