自著「あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール」のルール89「業務日報は事務的な作業にせず反省に使おう」(明日香出版社)と「あたりまえだけどなかなかわからない組織のルール」のルール83「ちゃんとした(業務)日報が書けない、出せないメンバーは信用しない」(明日香出版社)でも指摘させて頂いたので詳しいことは避けますが、ほとんどの人が(業務)日報を機械的事務的に書いています。

従って、(業務)日報を書くのがノルマになり、仕方なく出しています。せっかく手間隙かけて毎日作るのに、ただ上司に出す目的から惰性で書いているのは無駄なことです。ですので、内容はかなり適当、またはあまり意味もないのに細かく書いていることが多いのです。

それならば、(業務)日報など出さずに、本業に時間と労力を使った方が、会社や本人にとってはより価値的です。

私も日本の大学卒業後、大手会計・経営コンサルティング会社のニューヨーク本社で働き始めてより、テキサス州ダラスで起業するまで十年の間、毎日欠かさず業務日報を出していました。私のみならず、同じ部署の人達全員がそうでした。

 仕事ができる上司達は非常に厳しく、部下の業務日報を毎日しっかり目を通していました。業務日報で理解のできないところ、不効率なところを見つけては、鋭い質問やアドバイスを浴びせかけてくるのです。

 よく考えて書かないと厳しく叱られます。それもそのはずで、「超」多忙の上司の時間を毎日業務日報のレビューのために使わせているのです。それも、一人の上司に部下が十数人いるのです。

 スピード出世してきた「超」仕事のできる先輩としばらくいっしょに仕事をした時のことです。

「なぜ仕事がそんなにできるのですか?」との私の質問に、彼は一言。

「業務日報を一日の反省と自己の成長のために、大いに役立てているからだよ」と。

彼の業務日報を見せてもらったところ、一日の業務内容の説明以外に、業務上の問題点とそれを克服するためにやるべきこと、そして一日の反省点が詳しく記されていました。