出世する人は本当によく本を読みます。最近そのことに気がつきました。なぜなら、友人で出世した人を片っ端にチェックしてみました。皆「超」読書家だったのです。

 その代表格が、イオン株式会社専務取締役・監査役、株式会社マイカル代表取締役社長・会長などを歴任した榎本惠一さんです。彼は、待ち合わせると、必ずかなり早めに来られます。私が来たのも気が付かないほど読書にのめり込んでいます。時間ができたらすぐに読書するため、いつも本を持ち歩いています。

十五年前、イオンが抜本的な業務改革を進めるため、中堅幹部三十人を選び、米国視察を実行しました。その視察団の団長をされていたのが、当時常務だった榎本さんです。その際、行動を共にし、榎本さんの読書を通した勉強ぶりには何度もに驚かされました。

その視察支援を請け負っていたのが、米国大手国際会計・経営コンサルティング会社、プライス・ウオーターハウスです。私は日本企業部ディレクターとして、テキサス州ダラスにおりましたが、日本語ができるということでその視察のお世話をすることになりました。

人格者でもありますが、大の読書家であることは、榎本さんの言動を見ればすぐにわかりました。その後、榎本さんとは、何度も日本で会食させて頂きましたが、毎回驚かされることがニつありました。

一つは、膨大な量の読書成果として貴重なアドバイスや最新情報を頂けたこと。もう一つは、お会いする度に出世されているのです。最後はイオンが買収したマイカルのトップまで勤められ、いかにイオンの岡田社長から信頼されているかがよくわかりました。私が榎本さんの会社の社長だったら、同じように彼をどんどん出世させたことでしょう。

私は、高校を卒業するまで読書が大嫌いでした。笑われるかも知れませんが、それまで読んだ本もたった二冊で、「小鹿のバンビ」と「野口英世」。そんな私が、日本の大学卒業後、米国でコンサルティング会社に就職しました。同僚と比較し、あまりの知識のなさに悩んだあげく、月十冊以上の読書を始めた。すると、徐々に知識が増え、まわりのエリート・アメリカ人達と対等以上に議論ができるようになりました。正直、読書の凄さを実感しました。

どんどん本を読んでみて下さい。知識が増え、まわりからの評価も必ず上がります。