私が人生の師と仰いでいる方が言われました。

「職場には三種類の人間がいます。一人は、いてもらいたくない人。もう一人は、いてもいなくてもいい人。三人目は、いてもらいたい人です・・・」

その後、まわりを見渡してみました。確かにどの組織にも三種類の人間は存在しました。そして、ふと考えました。「私は前の会社にいた時、どう見られていたのだろう?」と。

米国を本社にする世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社の本社と支店で計十年勤めました。入社して十年後に同業で独立すると決めていましたので、その間、コンサルティング会社の経営のノウハウをすべてマスターしようと一生懸命でした。

経営コンサルタントとして力がつくとわかれば、何でも挑戦しました。地元ビジネス・スクール(テキサス大学経営大学院修士・博士課程)で仕事終了後、毎日のように夜学んだり、同経営大学院修士課程で七年間教えたり、地元非営利組織(NPO)や商工会議所などでリーダーを務めたり、教育・医療機関の立ち上げを役員として手伝ったり・・・

お蔭様で将来成功するかどうかは別にして、なんでも挑戦する癖、大胆さ、根性などは人並み以上についたようです。友人は私のことを「雑草」「成り上がり者」と呼びます。

そのような体験から組織に必要な人とは、能力、才能、経験、知識、過去の実績、受けた教育のレベルではないと思います。今どれだけ組織のために弱き自己に挑戦し、頑張れるかだと思います。そして、組織のメンバーとして、また、ある作業を任されたプロフェッショナルとして、どれだけ成果が出せるかが組織にとってのそのメンバーの必要性を決めます。

組織である以上、ただのいい人、お人よしでは、いてもいなくてもいい人になってしまいます。本当に必要とされる人になるためには、いないと困る人、つまり組織に対して成果の出せる人にならなければなりません。そうなれば、どの組織に行っても通用しますし、逆にそうなれなれば、どこの組織に行っても、いらない人にされてしまいます。

せっかくこの世に生まれて、ほとんどの人は組織に属しているわけですから、その組織から存在意義を評価され、感謝されるようになりたいものです。それが所謂「勝ち組」です。組織は目的があって形成されています。ただのいい人集団ではありません。