マラッカ海峡の要衝の地で、オランダとの勢力争いの中でイギリスのアジア貿易の拠点としてペナン植民地を東インド会社が確保したのが始まりで、次第に周辺地域を従属させ支配した地域です。
コインは時代が進むごとに使用される地域が広がったため地域名表示は変わりましたが、通貨として連続性があり、カタログの扱いも一つにまとめるのが妥当と思います。
英領海峡植民地は、1826年ペナン、マラッカ、シンガポールの3地域により成立、東インド会社のインドベンガル総督府のもとに置かれました。
これらの地域は1867年英本国の直接統治になり、その後マレー半島の多くのスルタン国を保護下に成立した英領マラヤと次第に一体化して支配されました。第2次大戦の日本占領時代を経て、各スルタンの復権のもとに戦後マラヤ連邦が成立し、1957年には独立を達成しました。
後、1963年に英領北ボルネオ、サラワク、シンガポール(マラヤ連邦には参加せず)を加えてマレーシア連邦が成立しています。(ブルネイは参加せず1984年独立、シンガポールは1965年分離独立)
通貨海峡ドルは1906年に英2シリング4ペンスに固定されるまで、スペイン$(貿易銀)に基づく通貨で、銀価格の低下により銀本位制から離脱しています。通用する地域はマラヤ全域に広がり、更に英領ブルネイ、サラワク、北ボルネオにも及ぶようになり1939年にマラヤ通貨委員会として発行を開始、戦後ボルネオ地域も加わり、1953年からマラヤ・英領ボルネオ銘で発行されました。1967年各国が独自通貨を発行した後も各通貨は1973年まで共通使用できたようです。(ブルネイとシンガポール間は現在も共用)
☆英国東インド会社1862年にはINDIA STRAITS銘もあります。
※1セント銅貨 1843年
☆海峡植民地 ジョージ5世銘まで
※1/2セント青銅貨 1932年
※1セント青銅貨 1920年
※5セント銀貨 1900年
※10セント銀貨 1901年
※20セント銀貨 1910年
※50セント銀貨 1907年H 小型 Ag.900 10.1g
※1ドル銀貨 1907年 小型 Ag.900 20.21g
☆英領マラヤ Commissioners of Currency Malaya(マラヤ通貨委員会)
ジョージ6世銘のみ
※1セント青銅貨 1945年 小型
※10セント白銅貨 1948年
※20セント銀貨 1939年
☆マラヤ&英領北ボルネオ エリザベス2世(1953~62)
※1セント青銅貨 1945年
※20セント白銅貨 1954年
※50セント白銅貨 1961年H