かつて中欧で繁栄したハプスブルク家の大帝国から、第一次大戦の敗戦、帝政廃止、ナチスドイツによる吸収合併と敗戦占領を経て現在の国家があります。
帝国時代は大ドイツの中枢をなしてはいましたが、ドイツ人より他民族の住む地域が圧倒的な多民族国家で、モザイク状に違う民族が暮らすこの地域を統合させていました。
通貨単位は、周辺諸国との同盟や戦争、金銀本位通貨の変化の結果で変遷が激しく、補助貨幣も含めると複雑で分かりにくい国です。
ドイツ各諸侯が独自に通貨を発行していたものを、経済発展の中でドイツ国家統一の動きに翻弄されて来た結果です。
1コンベンションテーラー=2墺ギルデン(フローリン)=120クロイツァー
1統一テーラー=1.5墺ギルデン=150クロイツァー
2コロナ=1フローリン、10000コロナ=1シリング
コインを紹介します。
※1フローリン銀貨 1860A
若いフランツヨーゼフ1世像と双頭の鷲 2重帝国期のメインデザイン
※1000コロナ白銅貨 1924年
帝国は解体され、ドイツ程では無いにせよハイパーインフレでした。
デノミ前の高額面コイン 同額同デザインの10グロッシェンもあります。
※1シリング銀貨 1924年 .800 7gの共和国最初のタイプ議事堂
下の1/2シリングとの対比が極端な写実的デザイン。
※1/2シリング銀貨 1925年
他にないデザインがなんとも異質で特徴的です。
※5シリング アルミ貨31㎜1952年
占領下コイン、後に下の銀貨に改鋳できるすごい国です。
※5シリング銀貨 1966年 1969年以降白銅貨です。
2024.05.13写真拡大修正