「とくに今日のようなことにはね。」
「なざとくに今日のがそうじゃないんです?「事の全体を冗談とみなしている、とぼくは言おうとしているんじゃない、冗談にしちゃ、仕組まれた道具だてが大仕掛けすぎますからね。この下宿の住人全部がそれに加わっているんでしょうし、それにあなた方全員がそうだとなると、これはこう冗談毎の限度をこえている。だからぼくは冗談だと言うつもりはないんです。」
※冗談/Spass→Speis/食べ物
下宿/カフカの言葉に〈地球は夜の宿屋のようなもの〉とある。
《この冗談には、この下宿の住人全部が加わっている、つまりこの冗談というのは「食」のこと(月食)》
「まさに仰せのとおりですな」と監督官は言って、マッチ箱が何本あるか調べていた。
☆寿命(余命)がどのくらいか調べていた、ということ。
「一方ではしかし」、とKは続けて、ここでみんなの方に顔を向け、できれば写真のそばのさんにんさえこっちに振り向かせたかった。
☆つまりこの三人は、Kの方を見ていない。
「一方ではしかしこの事件がそう重要なものであるはずがない、と思っています。がそれで告発されるかもしれぬような罪が、これっぽっちでもみつけられぬからです。しかしそんなことも実はどうでもいいことで、重要な問題はこれだ、ぼくは誰によって告発されているのか?どういう裁判所が真理をおこなうのか?」
※告発する/angeklgt→angeklart/不明瞭の,kextut訳していない。
裁判所/Beforde→Befordrer/奨励者、保護者
☆告発という言葉のなかに(決着していない、疑わしい)と云った言葉が紛れ込んでいるのでは。
《「ぼくは誰によって告発されているのか?どういう保護者が手続きをするのか?」》
「あなたの着ている服を」ここで彼はフランツのほうを向いた「制服と呼ぼうとしてもむりで、それはむしろ旅行服といったものですからね。これらの疑問にたいしぼくは明確な返答を要求します、これさえ明確にできれば、おたがい心から握手をしてお別れできると確信してますよ。」
☆旅行の最たるものは「放浪」、放浪者となったユダ。これさえ明確にできれば、要するにこの『審判』を書く意味の発端である。
監督官はマッチ箱を机の上に放りだした。
※箱/schachten→schachten/ユダヤ人の典礼に従って麻酔をかけずに屠察する schachter/ユダヤ人の屠殺者
☆(ユダヤ人の典礼に従って麻酔をかけずに屠察する)ということを放棄した、という意か。
「あなたは非常な過ちを犯している」
※非常な過ち/Grossen lrrtum/祖父母
☆「あなたは素ほぼである」この言葉はKを支点として虚実、過去、未来という鏡の関係を即製する。なぜなら監督官その人が「Kの父・母・子」なる人で、その人から「あなたは祖父母である」と言われたのだから。
つまり《自分と自分が出会う異空間》
「子供はいないのかい?」「おまえだけだよ」と彼は言った。「おまえがおれの一人子なのさ、おまえのためならばこそこれをかぎりに航海をひきうけたので、あとは舟を売りはらい働くのはよすとも」「この辺では船客を子供と呼ぶのかい?客人らは。「そうともさ、それが土地の習わしだ、そしてならわしだ、そしてお客人らは、おらたちを父っつあんと呼ぶのさ(『断片』より)