これで監視人たちが、と彼はひそかに思った、風呂に入るのを強制するのを忘れなかったら、全体がこうてきぱきと運ばなかっただろうか。いまこの期におよんでかれらがそのことを思い出すんじゃないかと、彼は二人をうかがったが、もちろんかれらはぜんぜん思いつかなかった。

※ひそかに/Geheimen/神秘、秘密

 思った/glaubte→glaube/信仰、宗教

☆風呂というのは洗礼の意味かもしれない。

 

完全に服を着終えるとすぐ彼はヴィレムのすぐ前に立って、空の隣室を通り、すでに扉が両側とも開かれているその次の部屋に入らされた。

 なぜ(完全)にという形容がつくのか?

 vollstanding→vollstanding Finsternis/皆既食

 Fluge/観音開きの戸棚→Fruh Geleucht/春の(最初の)光

 開ける/geoffnet

 ナイトテーブル/Nachttischehen→Tausch/交換 ナイトテーブルは「あの世とこの世の転換点」/審理用

 

部屋の一隅には三人の若い男たちが立っていて、壁にかけたマットの一つに止めてあるフロライン・ビュルストナーの写真群を眺めていた。

※一隅/Ecke→Drei Eck(三角形)

 写真/Photographien/Photo/光→Fata/運命、宿命

 

 《ビュルストナー》

朝は非常に早く勤めに出かけ夜はおそく帰宅するので、Kはまだ挨拶以外のことばを交わしたことがなかった。

◎ビュルストナーは「おとめ座」朝早く出かけるのは陽が出れば消え、この季節(春)はドイツでは(十時半ごろ)上ってくるらしい。

 挨拶/gewechselt、Wechselは交替、循環、交換・・・太陽と入れ替わり、ということか

 白いブラウス、おとめ座のスピカは白色

 タイピスト/Schreib machinistin→Schraube/ねじ、くぎ、らせん(スピカの意味は先の尖ったものという意味)

 写真群というのは運命というより光りを見ていたのかもしれない。

 

 《大男》

とんがりひげの大男は太陽

胸をはだけたシャツ姿/Brust offenen Hemd、

※Brust→Blut/種族、血統、素性

 offenen/自由

 Hemd/故郷、精神

《故郷、素性から解放された、つまりそういうこととは無関係なという意味だと思う。