Kの知っていた部屋を思いださせるものはほとんどなかった。

※知っていた/erinnerte→erneut/更新された、新しい

《更新されたものは何も無かった》天空の事情(配置)

 

壁にはいまはベッドが二つ並んでいた

※男と女か。

 

ドア近くの三脚の椅子にはい塁打の洗濯物が山と積まれ衣装戸棚はあいたままだった。

※衣装戸棚/Schrank→Schra'nk/被告席、束縛

《三脚の椅子(三位一体)の上には誤解や偏見が山と積まれているが、束縛は無かった。》

 

こんなことをしたのも元はといえばモンタークにたいする反発からだったのだ。

※反発/Trotz→Trutz/攻守のために

《こんなことをしたのも元はといえばモンターク(母なるもの)に対する攻守のためだった。》

 

モンタークはフランス語の教師でドイツ人。

ドイツでは「おとめ座」が「聖母マリア」フランスでは「月」が「聖母マリア」、だからビュルストナーのためにしたことはひいてはモンタークにたいする攻守であったのだと思う。

 

ただそれだけに、またドアをしめ、食堂のあいたドアのところでモンタークと大尉が立ち話をしているのを見たときは、なにやらひどくつらい気がした。おそらくかれらはKがドアをあけたときからそこに立っていたに違いなかった。

☆ドア、ドア、ドア、と三つ→太陽、月、地球

 モンタークと大尉が立ち話をしているのを見たとき、Kはきっと「お父さん、お母さん、死んでごめんなさい」と。

 

Kを観察している気配謎見せないようにして、低声で話をかわしながらKの動きを目の端で追っていたのちがいない。

☆この描写は父母の我が子を見守る目つきであり配慮に他ならない。

 

その目つきはしかしKにはひどく重苦しく感じられ彼は壁ぞいに自室に戻ろうと急いだ。

※壁/Wand→雲

子どもにとっての親の監視ほど重苦しいものはない、つまり、雲に隠れて自分の(太陽)の在るべき位置に帰っていったということである。(第四章・了)