そのとき誰かうしろの扉をとんとんと叩くものがありました。
《推しはかる秘の講(話)である》
五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。
《語(言葉)で録(文字を書きあらわすと)現れる他意は、Sun(太陽)の望みである平(平等)である》
四夜の出来事
(第一夜)
すると外から二十日過ぎの月のひかりが室のなかへ半分ほどはひってきました。
《我意は自由に化(形、性質を変えて別のものになる)を合わせて質(内容)の判(可否を定めた)文である》
(第二夜)
十二時は間もなく過ぎ一時もすぎ二時をすぎてもゴーシュがやめませんでした。それからもう何時かもわからず弾いてゐるかも分からずごうごうやっていますと誰か屋根裏をこつこつと叩くものがあります。
《答えは普く辞(言葉)を換(入れ替えること)、化(教え導くこと)が逸(隠れている)。
字を普く示し示し課(割り当てた)字で談(話)を推しはかる也。
渾(全て)理(宇宙の根本原理)の講(話)である》
(第三夜)
そしておしまひまで来たときは今夜もまた東がぼうと明るくなってゐました。
《雷(神なり)である魄也。
等(平等)の冥(死後の世界)である》
(第四夜)
次の晩もゴーシュは夜通しセロを弾いて明方近く思はずつかれて楽器をもったまゝうとうとしてゐますとまた誰か扉をこつこつ叩くものがあります。
《字を番(組みあわせる)也。
two(二つ)の談(話)は冥(死後の世界)であり、放(思いのまま)に襟(心の中)で詞(言葉)を楽しむ記である。
推しはかると秘(人に見せないよう隠した)講(話)がある。