(まことのことばはここになく

 修羅のなみだはつちにふる)

※まこと/sincerity→sin certain/確かな罪

 言葉/word→world/世界

 つち/earth→地球

 なみだ/tear→裂く

《罪ある世界はここになく地球の精神は裂けて地球に還る》

 

 あたらしくそらに息つけば

 ほの白く肺はちぢまり

※あたらしく/fresh→flash/ひらめいて

 そら(sola)→solar/太陽の

 肺/lung→languagelung/言葉

 ちぢまり/contract→contrdict/否定する

《きらめく太陽に生まれたならば太陽は言葉を否定する》

 

 (このからだそらのみじんにちらばれ)

※からだ/body→死体

 そら(sola)→Solar/太陽の

 みじん/三人→Sun人

 ちらばる/disperse→displace/置き換える

《このからだ(死体)は太陽なる人に置き換えられる》

 

 いてふのこずえまたひかり

※いちょう/midenhair tree/初めての人(treeは三位一体、父母子)

 こずゑ/twig→twine/一対のうち一つ

《初めての人の一つが再び光っている》

 

 ZYPRESSENいよいよ黒く

 雲の火ばなは降りそそぐ

※いよいよ/more and more→morはmortal/死すべき

 雲/cloud→crowd/群衆

 火ばな/spark/生気、活気

 降りそそぐ→降る/fall(何々になる) そそぐ/pour/与える

《ああ、死は(死に逝く)人に活気を与える》

 

 わたくしという現象は

 仮定された有機交流電燈の

 ひとつの青い照明です   「序」より

※現象/phenomenon→驚異

 仮定された/想像上の

 有機交流電燈→有機というのは人間、交流/alternative/代わりの、ひとつ/uni→univers/宇宙

 青い/アオ(セイ)→sainted/在天の、死んだ、死界を暗示

 照明/illumination→illusion/幻想

《わたくしという現象は宇宙の死界の幻想です》

 

『春と修羅』はそのままの詩と余白(空間)との二重性にあり、最後の日付、(1922,4,8)は、1(イツと読んで、逸(隠された)9(キュウと読んで、杞憂)、22は(二重の字による)4(死)の8(永しえ)とも読めるのである。