ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
※かがやき/bright→blight/希望、幸福などを奪うこもの、滅ぼす
《ああ、希望幸福を奪う死の入り口の太陽を滑るように水となる火となってゆききする、わたしは地球の精神なのだ》
(玉髄の雲がながれて
どこで啼くその春の鳥)
※玉髄/chalcedony…玉はball/地球
随/pith→pithecanthrope(初期の人類)
ながれて→transmigration(輪廻転生)
春/Halo/太陽の暈
鳥/bird…死に逝くものの化身orあの世に誕生する命の暗示かも知れない
《地球の死んだ人々は形を変えてどこで生きているのだろう、光輪に行き交ったその鳥/死人の逝く末は》
日輪青くかげろへば
※青く…死界
かげろへば/obscure/世に知られずに
《世に知られない死界》
修羅は樹林に交響し
※樹林/wood、grove(地球の暗示)
交響し/sympathize/同情、共鳴する
《地球の精神は同情、共鳴し》
陥りくらむ天の椀から
黒い木の群落が延び
その枝はかなしくしげり
※陥り/fall into→hole、穴、すき間、裂け目
くらむ/dazzle/隠された
天(テン)十→自由
椀/wooden bowl/地球の暗示
黒い(クロ)→crank/奇妙な考え
木/tree→three、triad/三つで一組のもの父母子(人間の暗示)
群落/夥しい数(の人)
枝/branch→blanch/白くなり、雪(snow、SN≒太陽))になる
悲しく/sadly→suddenly/急に、突然
しげる/grow→glow/赤々と燃える
《裂け目に隠された自由の地球から、奇妙な考えの夥しい数の人間が列をなす、その太陽は突然、赤々と燃える》
賢治が白亜紀とよぶのはこの夥しい死人が変移された数の太陽が光を放つことを(奇想)と呼んでいるのではないか。死に逝く人への鎮魂歌である。