(ビュルストナー)
目立つほどベッドの布団が盛りあがって見え、
※布団/Polster→Polarster/北極星
盛りあがって/hoch schienen→schienen/レールを敷く
《空高く(春の大三角のおとめ座)ビュルストナーのところから北極星に向かって線が引かれていた。
「彼女は芝居見物ですよ、なにか彼女にご用?わたしから彼女にお伝えしときましょうか?」
「彼女はかわいい、いい娘さんですからね、親切で、きちんとしていて、時間に正確だし、仕事好きです。そういったこと全部をわたし非常に高く買ってるんですよ、しかしもっとプライドを持って、控えめにしたほうがいいことだけはたしかですね」
※芝居/Teater,Nazetherterではなかったのか、ビュルストナーは「おとめ座」一般に星座(星)が見えないとき冥府に行っているという。
Tartaros→(ギ・神)冥府
「彼女は見えません」ということだと思う。
今月になってわたしはもう二度も、ずっと離れた通りで、そのたんびに彼女が違う男と一所なのを見かけました。」
※離れた通り/entlegenen Strassen→普通の距離ではない〈天、銀河〉
天空でのこと、違う男というのは「おとめ座」は黄道にあるので付近には木星や土星などの惑星が近づくという意味だと思う。
「ところでわたしが彼女を疑っているのは、なにもこれが唯一の理由じゃないんですよ。」
ビュルストナー(聖母)の解任のこと。
「あなたはまるで思い違いをしていますよ」とKは怒って、ほとんど怒りを抑えることも出来ずに言った。
〈「あれは伝説、作り話なんだ、ビュルストナー(母なるもの)にたいする侮辱以外のなにものでもない」とKは怒った。》
「ぼくが彼女について言ったことまで誤解しているようですね。そんなつもりで言ったんじゃありませんよ」
つまりぼくが言ったのはあなた(地球)によってビュルストナーさん(お留座)は夜遅く帰るように見えるという意味です。(グルーバッハ夫人の責任)
「なにもあなたの邪魔をしようっていうんじゃないんで」
※ビュルストナー嬢は天空の母なるもの、グルーバッハ夫人は地球の母なるもの。
彼がもうドアを開けてしまっているのに
※ドアというのは、この場合「地球」のことではないか。Kがもう地球を離れて死に逝く(ドア)
geoffnet、geo(地球圏くらいの意味か)
「そんなに下宿を清潔に保っておきたいんだったら、まずこのぼくを立ちのかせることですな。」
※Kは死人だから、物体として死を境に次第に腐っていく。
geistgegenwartig/精神が目覚めるという表現を用いたのだとおもう。
窓ぎわで横になって、疲れた目を抑えたとき、一瞬彼はこんなことさえ考えた、ひとつグルーバッハ夫人を罰してやろう。
※罰する/bestrafen→bestrahlen/照らす、光線を照射する
Kは太陽になる(発光体)、だからグルーバッハ夫人(地球)を照らす(水面下の話)
彼が今日夕食をとらなかったのも、
※夕食/abend gegessen→essen→Esse/シルクハット
第10章でシルクハットをかぶった男が出てくるが、これは二つの円が重なる月蝕を暗示しているのではないか(三つの同心円)。そしてこれは他でもないあの世への正式な門扉であるらしい。
(夕食)をとらなかったということの意味は、最終章で暗喩が判明する。
今日に予定していたエルザ訪問を中止したのも、かのじょのためではなかったのか。
エルザ/Elsa→Ursa(こぐま座)→北極星(梃子の点)を暗示している。
彼女のため/schuld~の責任、原因
《今日が生死の転換点であるためにビュルストナー(母なるもの)の存在が不可欠だったのでは。
慄えながら彼女は、ドアに錠をおろすとき、細い肩に絹のショールを巻きつけた。
※慄えながら/Frostelnd/寒気がする(beben→Bebe/乳児)
絹/Schutern→Achse→Achse/地軸
《地球の知軸にある北極星まで細い長い糸(あるいは線)を引いた。》
Es,Klang wie eine Bitte,nicht wie ein Anruf.
それは呼んだというより嘆願のように聞こえた。
Klang…これはベルを鳴らす/死の合図