彼女はまったくひどく責任を感じているようには見えずKは、いつものとおり、彼女の前掛けの紐がそのぶ厚い胴体に不必要にくいこんでいるのを見おろした。

※責任を感じる/schuldbewusst(bewusstは意識する)→schalt/接続する

 前掛け/schurze→schutz/保護者

 ぶ厚い/wachtig→力強い

 胴体/Leib/生命、胎内

《彼女は全く接続(あの世と現姓)のいしきをもっているようには見えず、いつものとおり、彼女の保護者としての絆が力強い生命に刻み込まれているのを見おろした。「見おろした」つまり、Kたちは天空にいる、そしてもっと言えば実のところ上も下もないのである。

 

下におりたときにはての時計を見て、すでに三十分も遅刻しているのを不要に増大させぬため自動車をひろおうと決心した。

※すでに三十分も遅刻しているというのは、朝の取り込みのせいでというのが自然の流れと、納得できるがはたしてそうだろうか。

 わたしたちの空間意識では描けなかったグルーバッハ夫人の下宿を想い合わせると時間が過去から現在、未来へと秩序正しく真直ぐに推し量れるものなのか、やはり全体の時間を総合的に考慮する必要があるかもしれない。

 

カミナーが車を見つけに角へ走っていった。

※車は「北極星」北極星をを見つけるための方法の一つにうしかい座のアルクトゥルス、しし座のデネボラ、おとめ座のスピカというはrの大三角を結んで、というのがあるがその「おとめ座」のスピカのところにカミナーは走ってったのだと思う。カミナーは精霊で「おとめ座」は聖母マリアだから。

 

とつぜんクリッヒがむこう側の戸口を指さしてみせた。そこにちょうど例のとんがりひげの大男が姿をあらわしたところだった。

※この大男は「太陽」である。

 blonden(金色)とんがりひげ(太陽を描くとこ子供が直感的に表現する描き方)クリッヒは「光を証しするために来た」という人。

指してみせた/zeigte、見せる、証明するの意味がある。

 

 彼は光ではなく、ただ光についてあかしをするために来たのである(『ヨハネ福音書』第1章)

 

大男はこうして自分が全体の大きさをみせてしまったことにいささか狼狽したらしく、壁ぎわのあとずさりして、よりかかった。

※狼狽/verlegen→verraten/(人に)反逆する

 壁/Wand→雲のかたまり

 一瞬/Augenblic→Augang/出現、日の出、東

《太陽はこうして自分の全体の大きさ(偉大、崇高)を見せてしまったことにいささか反逆したらしく、雲の中に隠れた。